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「母さん、あれ見て…」
「まぁ…一体、だれかしら?」
ある日、また村に新たな訪問者が訪れた。
今度は明らかに女性だ。
畑で働く僕らのことをすぐにみつけて、大きく手を振っている。
「シンファ、行ってみましょう!」
母さんはそう言うと、その場に鍬を放り出して駆け出した。
「か、母さん…!」
僕もまた同じようにして母さんの後を追った。
女性も僕達に向かって走って来て……そのおかげで僕達は程なく合流した。
「こんにちは!
いえ、初めましてですね!
でも、驚いた!
ここには伯父しかいないって聞いてたから…」
女性は大きな荷物を背負って走って来たにも関わらず、たいして息も上がらず、屈託のない笑顔を浮かべてそう言った。
「伯父さん…?
じゃあ、あなたはもしかしてガーランドさんの姪御さんなの?」
「はい!
ガーランド伯父さんの弟の娘のモニカです。」
「そうなの…私はエアリス。
この子は息子のシンファよ。」
「息子さん!?まぁ……
弟さんかと思いました。」
お世辞なのか本当にそう思ったのかはわからないけど、母さんはモニカのその言葉に、ちょっと嬉しそうに微笑んだ。
「ガーランドさんは、今は家にいると思うわ。
こっちよ。」
僕達は、モニカを連れ、ガーランドさんの家に向かった。
モニカは年は僕と同じくらい…健康そうで明るい感じの女の子だ。
全く人見知りをしない性格のようで、母さんと友達みたいに話してた。
ガーランドさんはモニカのことをまるで知らなかった。
なんでも、弟さん一家が村を出てからモニカが生まれたらしく、モニカとガーランドさんは今日が初対面だということだった。
モニカは両親からこの村のことを聞き、ずっと気になっていたのだという。
そして、大人になってもその気持ちは少しも変わらず、この村の再建の手伝いをしにここへ来たんだと言った。
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