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モニカは本当に働き者で、とても気の利いた女性だった。
彼女が村に来てくれたおかげで、村の再建はますますはかどった。
以前より少しはマシになったとはいえ、こんな不便で何もない村にはすぐに飽きて町に戻るだろうとガーランドさんは言ってたけど、その予想は完全にはずれた。
彼女は、少しも手を抜くことなく村のために働き、気がつけば半年の時が流れていた。
その頃には僕がここに来た時とはかなり違う風景に変わっていた。
木々の緑に鮮やかな花の色が加わり、川には水量が増し小さな生き物が住むようになっていた。
畑も広がり、作物も僕らだけでは食べきらない程実るようになった。
来年あたりには果物も実るだろうって、セルフィナは言っている。
考えてみれば、僕もここに来てもう一年が過ぎたことになるけど、そんな実感はまだない。
毎日やることが山積みで、この一年はしみじみと考え事をする暇もなかったせいか、本当に時の過ぎるのが早かった。
「ねぇ、シンファ…
あとどのくらいしたら、昔のような村に戻るかしら?」
畑からの帰り道、赤く染まった夕日を見つめながら、モニカが突然そんなことをつぶやいた。
「さぁ…どうだろうね。
最初僕がここに来た時は、とてもじゃないけどなんとも出来ないって思ったんだ。
……だけど、一年でここまでよみがえった。
それを考えると思ったよりずっと早く再生してるって思うよ。
皆で頑張って来た甲斐があったよね。」
「……それだけじゃないわ。
自然の力が大きいのよ。
木も土も水も、頑張ってるのよ。
昔みたいになりたいって、頑張ってるんだわ。」
不思議な気がした。
僕はそんなこと、考えたこともなかったから。
確かに、彼女の言う通りだと思った。
モニカは僕より三つ年下なのに、ずっと大人びて感じられることがよくある。
しかも、僕が考えてもみなかったことを彼女はよく言うから、僕はその度、不思議な気分になってしまう。
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