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「起きてください、お嬢様。昼食のお時間ですよ」
お昼?
お昼なんだね、分かった、起きる――
「わ!ボサボサじゃないですか!もぅ、お人形さんしてて下さいね!」
……びっくりしたぁ。
ミアの大声は普段叫ばない分びっくりするんだから、やめてよね。
それに、ミアが言ったとおりに寝てたんだから、そりゃ髪型とかも崩れますー。
貴女の過保護が招いた結果ですよーだ。
「お嬢様はいつもおとなしいですから、大丈夫でしょうけど、今日のお昼は親戚の方々もいらっしゃいます。夜には、他の貴族の方々もいらっしゃいます。ですから、くれぐれも、騒いだりなどなさらないよう、お願いいたします」
「うー」
生まれて初めて、沢山の人が私の家に来る。
私は必要以上に目立つことは嫌いだから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ、ミア。
「はい、出来ましたよお嬢様。ホールへ参りましょうか」
「あー」
両手をミアに向けて伸ばす。
ミアも当然のように私を抱き上げた。
廊下には知らない人たちが沢山いる。
今日来ているという親戚の人達の側近やらメイドやらだろうか。
皆こちらに気づくと、決まって一礼をする。
私に対してだろうか、それとも、ミアに対してだろうか。
分からないけど、まぁそれはどうでもいい。
「リズリエラ!大丈夫?図書室で咳き込んだと聞いたのだけど」
ホールに入るなり真っ先にお母さんが飛んできた。
だから、なんでそんなに過保護なの。
咳き込むなんてこと、よくあることじゃない。
「あー」
お母さんにくっついて、めちゃめちゃ心配そうなお兄ちゃんも来たから、取り敢えず笑って返事だけしといた。
ミア、私もう咳き込んだだけで寝たりしないからね。
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