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親族の中で一番位の高い私達家族は、今日のお昼は全く席から動くことが無い。
逆に、席を立ったりなども出来ないんだけどね。
「魔力判定の儀、おめでとうございます。今日は――――――」
親戚たちがお兄ちゃんに声をかけていく。
お兄ちゃんは営業スマイルを貼り付けて愛想良く見えるように頑張っている。
私が5歳になったら、あれをやらねばならんのか、ハァ。
「リズリエラ様、お初にお目にかかります、私―――――――――」
え"、あれ、私には来ないんじゃないの?
お兄ちゃんとお父さんお母さんだけじゃないの?
私のところにも来ちゃうの?
えー、マジでー?
「どうぞ、お見知りおきを」
「あー」
もう、聞いてないよ、ミア!
そして、私のところにも約1時間並んだのであった。
あー疲れた。
幼児にこれはきついと思うよ。
夜も、昼と同じようなことが続いた。
同じように前に並ばれ、挨拶をされていく。
違いは、私達より上の位の公爵2家と、私達同じ位の侯爵4家が来たこと。
流石にずっと座ってるわけにはいかないので、私はお母さんに抱きあげられて席を立った。
魔力判定の儀お祝いパーティー(仮)には、別に家族総出で来るわけでも無いらしく、連れてこられるのは魔力判定の儀の終了した5歳以上の人達だけだ。
つまり、この場に5歳未満なのは私しかいない。
うん、私場違いだよね。
「にー」
私がそろそろ寝る準備をする時間になって、ホールを出る時間になった。
さっき思ったんだよね、私お兄ちゃんにあれ言ってないって。
魔力判定の儀を行うのは5歳の誕生日らしいから、今日がお兄ちゃんの誕生日ってことだよね。
うん、なら、なおさら言わなきゃじゃん。
「おーとー!」
満面の笑みで言った。
お兄ちゃん、シスコンだからこれで喜んでくれるでしょ。
「リズ!ありがと!」
「え、リズリエラが喋った?ねえ聞いた?貴方」
「あぁ、聞いたさ。良かったな、ディノス。リズリエラの初お喋りがお前だぞ」
「うん!」
…予想以上に喜んでくれたみたいで、何よりです。
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