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お兄ちゃんの魔力判定の儀から一月半経った。
私はあれから読書と喋るのを頑張るようになって、今じゃ2語喋れるようになった。
だけど、舌があんまり回らないからタ行とか、言えないんだけどね。
「リズー!ねぇ聞いて!今日ね、一緒にご飯食べれないんだって!」
朝っぱらから大ボリュームで私の部屋に来るお兄ちゃん。
うん、それ、一週間くらい前にお父さんに言われてたよ?
「おにー、いない?」
「そう!お兄ちゃんいないの!リズ、今日はお兄ちゃんと一緒にお勉強しよ?」
「おべきょ?」
「お嬢様、しませんよ。ディノス様もご自分のお勉強をなさってください」
まぁ、1歳ちょっとの子に5歳児と同じ勉強を求められてもねぇ。
1日1冊読むので限界なこの体じゃお兄ちゃんと同じ勉強は無理かなぁ。
「うぅ、ミアの意地悪」
「仕方ありません。お嬢様は、まだ小さいのです。例えディノス様と同じ勉強が出来ても、体力がもちません。ディノス様はお嬢様を布団の中に閉じ込めたいのですか?」
「うぅ、…我慢する」
「ありがたく存じます」
もしお兄ちゃんの頭にケモミミがあったなら、しゅん、と下を向いているのが分かる。
もうちょっと体力ついたら、お勉強しようねお兄ちゃん。
二月に一回、王族と公爵侯爵だけで開かれる社交の場がある。
伯爵以下の階級は参加できない社交場である為、グレートソーシャルなんて呼ばれていたりする。
グレートソーシャルにも、5歳以上しか行けないから、前までは私とお兄ちゃんは留守番してたんだけど、これからはお兄ちゃんも行くことになるから、お留守番は私だけだ。
お兄ちゃんはちょっとシスコンすぎて面倒臭いけど、いなければいないで寂しい。
今日は、なるべく早く寝るよ。
「お兄ちゃん、沢山リズの自慢してくるからね!」
「や!ちないの!」
「ただ、家の妹が可愛いって言うだけだよ。リズの可愛さは世界一なんだから!」
「はぁ」
やっぱいい。
さっさと帰って来なくていいよ、このシスコン野郎め。
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