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お兄ちゃん達がグレートソーシャルから帰ってきたのは、私が寝た後だった。
うん、それまでは良かったんだけど、問題はその後。
多分、お母さんが怖いって言ってたメイド長にバレたら長々と説教が続きそうなやつ。
「…お兄ちゃん」
現在時刻午前7時。
あと30分もすればミアが私を起こしに来るから、それまでに何としてでもこの問題を解決させなければならない。
「あー!おーきーてー!」
ハァ、ハァ、ハァ。
お兄ちゃん、寝付きが、いいね?
つか起きろ!妹にへばりついて寝るんじゃない!
あれか、お兄ちゃんを落とせば起きるか。
そうだよね、1歳児のひっぱたきなんて痛くないもんね。
うん、善は急げだ。
「んにょ、へぶ!あ"ー!」
お兄ちゃんの手地獄から抜け出し成功!
あとは、お兄ちゃんを落とすだけ!
「いちに!いちに!」
掛け声は必須。
あった方が力が入る!
コロコロとベットの端に追いやられるお兄ちゃん。
よし、そのまま落ちて頂戴。
そして目を冷まして頂戴。
「あだっ!」
ゴテン、という重い音と一緒にベットから硬い床に落ちる。
お願い、起きてくれ!
「すぅー」
「………え?」
あ"ぁー。
私は怒られるんだ。
お兄ちゃんの巻き添えを食らって怒られるんだ。
私はお兄ちゃんもとい私が怒られないように頑張ったもん。
お兄ちゃん、起きなかった君が悪いんだからね。
ミアとか、メイド長に『侯爵家のご子息たる貴方様が妹君と同じベットで寝るなど、ありえません!』って口を揃えて怒られるんだ。
貴族ってそういう所あるからね、お兄ちゃんが怒られるんだよ。
私、もう助けてあげないからね!
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