Episode 1.

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8ヶ月になった。 ふふふ、一つ重大な報告があるのだ。 ふふ、私、はいはいができるようになった! これで好きなところに行けるぞ! ―――と言うことで、私は毎日図書室探しをしている。 これだけ広いんだもの。 書斎でもなんでも、何か本が置いてあるところがあるでしょう。 でもまだ見つかっていない。 なんでかって? 私の歩みが遅い上に、ミアに見つかって部屋に戻されたりするからだ。 そして、何よりこの家が広い。 広すぎるんだよ。 今日も部屋の外へでて図書室を探す。 えーっと、右には行ったから、次は左だね。 一歩二歩とせっせか進む。 まぁ、そんなに進んでないんだけど。 体感では10分くらい歩いたと思う。 未知の場所までたどり着いた。 ここからドアを開けて―――― 「あう?」 「お、お嬢様」 ミアじゃないメイドさんに見つかった。 頑張ってここに来たのに。 「こちらに一人でいらっしゃったのですか?まだお嬢様にはお早い場所ですよ。ここからは本しかございませんから」 え? 本しかないですって? それは、来るしかないでしょう! 情報収集にこれ以上最適な場所、そうそうないもん! 「あー!」 行くの、と行動と目で訴える。 もう誰かに見つかってしまったのなら、ミアが戻ってくる前に部屋に戻って、何もなかった風にするのは無理だ。 どうせ怒られる道は確定している。 それなら、せっかくの図書室を見ないのはそんじゃない? 「お嬢様、図書室に行かれるのですか?」 「あー!」 「ミアから聞いていた話とは少し違うわ…。お嬢様、本当に行かれるのですか?」 「あー!」 さっきからあーしか言っていないが、通じている。 このメイドさん、なかなかやるじゃん。 「ふむ…。まぁ、よろしいでしょう。お嬢様、失礼します」 一言断りを入れて、私を抱っこしてくれる。 わぁ、前に私が見てた高さよりちょっと高い。 乳児だと皆巨人に見えて背の高さとか分からないけど、このメイドさんは背が高い。 ミアはそこまでもなかった、気がする。
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