Episode 1.

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「お嬢様!どちらに行かれてたんですか!探しましたよ!」 メイドさんに抱っこされて戻るなり、ミアが見たこともないくらいの勢いで部屋から飛び出てきた。 あぁ、心配かけたんだね。 「あーう」 一応ごめんねと言ってみる。 分かっちゃいないと思うけど。 そして、手をミアの方に伸ばして抱っこしてポーズをする。 それに気付いたメイドさんが、私をミアの方に向けてくれた。 「もう!」 半泣きの目でミアは私を抱えて苦しいくらいに抱きしめてくれた。 いや私図書室にいただけなのに、なんで家出少女が帰ってきたみたいなことになってんのさ。 「メイド長、お嬢様はどちらにいらっしゃったのですか?」 ぐすっ、と時々言わせながらメイドさんに聞くミア。 え、このメイドさん、メイド長だったの? お母さんが怖いといった、メイド長? 「図書室よ。私が図書室から出たときにこちらにいらっしゃったのよ。本が読みたそうだったから、お嬢様の指差した本をお渡ししたら、一刻半読んでいらっしゃったわ」 「お嬢様が?」 「ええ。それよりもミア。お嬢様から目を離すとは、どういうことでして?動けるようになったのだから、どこかへ行かれるときは付いていきなさい。次は無いわ」 メイド長の鋭い目がミアに飛ぶ。 私が部屋から抜け出したんだもん、ミアは悪くないんだよ。 そう伝えられたら楽だけど、今の私に発話能力は無い。 せめてもの講義でミアにしがみついてやった。 「はぁ。お嬢様はお疲れでしょうから、早くお休みなさい。夕食時には間に合うようにしなさい」 「はい、メイド長」 良かった、メイド長が私の言いたいことを悟ってくれる人で。 ミアを守れたんだもの。 今日の私、グッジョブ!
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