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「どこに行かれるんです、お嬢様?」
次の日、メイド長が怒ると怖いらしいから、抜け出さずにミアの前で堂々と部屋を出たら、案の定呼び止められてしまった。
まぁ、そらそうだとは思うけど。
「あー!」
私は図書室の方を指差す。
ミアに何度呼び止められようと、私は図書室に行くのだ。
情報収集、大事だからね。
「お嬢様、こんな朝から図書室に行かれるのですか」
「うー!」
ミアのメイド服の裾を引っ張って行くと主張する。
すると、諦めたかのようにはぁ、とため息をつき、私を抱き上げてくれた。
どうやら、私の勝ちらしい。
昨日読んだ本の続きを読んでいく。
うん、やっぱり文法は頭に入ってないね。
これからも本を読んでって、それでもまだ文法わからなかったら、誰かに聞いてみてもいいかもしれない。
「ミア、リズリエラが本を読みだしたって、本当?」
「はい、奥様」
昼食時、私はミアにご飯を食べさせてもらう。
ご飯時しか家族で顔を合わせることはないけど、お母さんは穏やかだしお父さんはよく笑ってる。
私、お兄ちゃんがいるんだけど、お兄ちゃんは…、ちょっと面倒だからまた後で。
「何の本を読んでいるの?」
「大百科国史全書第一巻です」
「まぁ!貴方聞いた?大国史を読んでいるのですって!」
「聞いているさ。字が分かってるのかは定かじゃないけど、大国史なんて、すごいね」
なんか知らんが、手放しで褒めてくれた。
いえい?
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