Episode 1.

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「どこに行かれるんです、お嬢様?」 次の日、メイド長が怒ると怖いらしいから、抜け出さずにミアの前で堂々と部屋を出たら、案の定呼び止められてしまった。 まぁ、そらそうだとは思うけど。 「あー!」 私は図書室の方を指差す。 ミアに何度呼び止められようと、私は図書室に行くのだ。 情報収集、大事だからね。 「お嬢様、こんな朝から図書室に行かれるのですか」 「うー!」 ミアのメイド服の裾を引っ張って行くと主張する。 すると、諦めたかのようにはぁ、とため息をつき、私を抱き上げてくれた。 どうやら、私の勝ちらしい。 昨日読んだ本の続きを読んでいく。 うん、やっぱり文法は頭に入ってないね。 これからも本を読んでって、それでもまだ文法わからなかったら、誰かに聞いてみてもいいかもしれない。 「ミア、リズリエラが本を読みだしたって、本当?」 「はい、奥様」 昼食時、私はミアにご飯を食べさせてもらう。 ご飯時しか家族で顔を合わせることはないけど、お母さんは穏やかだしお父さんはよく笑ってる。 私、お兄ちゃんがいるんだけど、お兄ちゃんは…、ちょっと面倒だからまた後で。 「何の本を読んでいるの?」 「大百科国史全書第一巻です」 「まぁ!貴方聞いた?大国史を読んでいるのですって!」 「聞いているさ。字が分かってるのかは定かじゃないけど、大国史なんて、すごいね」 なんか知らんが、手放しで褒めてくれた。 いえい?
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