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ミアが図書室に連れて行ってくれるようになって4ヶ月。
文法も大分分かるようになって、本を読むスピードも速くなった。
私が本を読みだしたって聞いた日から、お兄ちゃんが私に対抗心を燃やして必死に勉強しているらしい。
私は大体図書室で本を読んでるから、ミアづてに聞いた話なんだけどね。
私は、体力も付いてきたことで、結構長い時間本を読めるようになった。
そして、図書室に沢山ある本棚の一つ、歴史書ゾーンをコンプリートした。
一概に歴史書だけで見たら、読んだ冊数は家にある全体の1/3にも満たないんだけどね。
「うっ」
「あぁお嬢様!」
どっでーん、と転ぶ私。
そう、保護者が目を離せない時期である。
とてとて、と、ゆっくり一歩ずつ進んでも、何もない所で足がもつれてこけてしまう。
歩けるようになったばかりって保護者の心臓は常にドキドキしてそう。
当事者である私だってドキドキしてるんだもん。
「お嬢様、危ないですから、お歩きの練習はお部屋でしましょう?図書室へは私めが抱っこして行きますから」
ふるふる、と首をふる。
自分で行かなきゃ、自由に動き回れるようになるまで時間がかかるでしょ。
「分かりました。ですが明日はディノス様の魔力判定日です。魔力判定の儀式にはお嬢様はご出席なさいませんが、その後のパーティーにはご出席されます。怪我などされたら困るので、今日のところは歩く練習をお辞めになってくださいませんか?」
そうそう、歴史書を読んでて気づいたんだけど、この世界には魔力や魔物があって、この世界の殆どの国が王政帝政で、貴族とかがある。
貴族の階位などは国によって違うらしい。
私の家はただの金持ちかと思いきや、土地を治める立派な貴族だった。
そして、階位は上から二番目、この国に五つしかない侯爵の家柄だ。
貴族はどれかの魔法の属性に属していて、五つの基本属性と二つの特別属性がある。
ウチは、基本属性の水に属している、水属性の代表家なのだ。
「あーば」
道理でこの中世的な雰囲気のこの世で大層な金持ちなのだ。
もし平民であったならなんか裏でヤバいことをやってそうなレベルの金持ち具合だよ?
図書室の蔵書数も図書館並だし。
「お嬢様、今日はこちらのご本ですね」
あれやこれやと考えているうちに図書室の椅子に座らされていた。
私が読む順が分かったときからミアはこうして本を取ってきてくれる。
さぁて、今日はどんな歴史書だろう?
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