最終話 鎌倉に来ました

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最終話 鎌倉に来ました

 今年も桜の季節が巡り僕は鎌倉の町にやって来ました。  何度となく訪れた鎌倉の町。  鎌倉の海や小町通りや鶴岡八幡宮や江ノ島や江ノ電……、数えきれないほどの魅力的な観光名所に僕は浮足立っていた。  また、お気に入りの鎌倉の海に来ていた。  この町に心のどこかを鷲掴みにされてしまったのだ。  いつ来ても古いものの中に、新しいものが生まれている。  魅力的な町だ。  思い出もたくさんある。 「パパ、パパ〜!」 「ほら危ないぞ」  砂浜を娘がまだおぼつかない足取りで走る。  僕は娘を抱きしめて高い高いをした。 「おっ、ママが来たぞ〜」 「ママ。だっこ」 「なんだよ〜。パパの抱っこじゃ不満か?」  僕の娘は甘えん坊でママ大好きっ子だ。 「ねえ、あなた?」 「うん?」 「私ね、ここであなたに出会えて本当に良かった」  優香は笑っていた。  僕たちの娘を抱きしめながら。 「僕だってそうだよ。優香に会えてなかったらこんなに幸せじゃなかったな」  僕と娘とは血の繋がりはないが、僕たちの子供である一人娘を心から愛している。  優香と出会ってから数年が経った。  家族になった僕たちは思い出の鎌倉に遊びに来ました。  今晩は恋結びの宿に泊まります。  僕と優香と娘の三人で楽しい家族旅行にやって来ました。            おわり
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