砂漠の幻

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マラン砂漠には、ナユと言う女の子と妹のナタと母と祖母と四人で、洞窟に暮らしていた。 マラン砂漠には、水どころか、食糧も中々手に入らなかった。 毎日、喉の乾きと空腹で辛い生活をしていた。 責めて水でも飲めればと毎日、ナユも思っていた。 そんなある日、ナユが気に入っている回りにサボテンが生い茂ってる小山があった。 勿論、ただの砂の山で、ここでたまに来てボーッとして体育座りをきて遠くを眺めるのが好きだった。 この日も、小山から遠くを眺めてると何か白い物が見える。 目が良いナユがよーく見るとボートが見えた。 白いボートがもしかしたら水があるかもと思ったとき、早く皆に知らせようと思ったときに、ふと、もし、これが私たち家族以外の人に知られてまた、水が飲めなくなったらと思ってしまう。 喜びから一気に暗い気持ちになった。それを影から見ている人がいた。 ナユが、洞窟の家に帰ると皆でこっちを見た。 すると、母が 「ナユ!本当なの? ボートがあったって」と聞かれた。 ナユが黙っていると 妹のナタが 「本当だよ! 私みたもん。お姉ちゃん隠してたんだね! 」と怒って言うと 何も言わないナユを母が 「いいのよ! ナユ、お母さんは今まで人は協力して生きて行かないといけないと言って来た。でも、人に空気を読みすぎてもよくない。あなた達のお父さんは、人を助けてそれで命を失ったでしょ!そういう生き方もある。悲しい時代ね。ナユはあっちの世界だったらあなたは、良かったのにね。ごめんね!でも、今回は助けて皆を……」と言われた。 ナユは、そんなつもりでなかったが少し考えてた事もあったので否定もできなかった。 家族四人で、あの白いボートが見える場所へ向かった! やっとの思いで着くとそこは…… 砂漠だった!ただの、白いボートが黄色い砂漠に置いていただけだった。 皆、力尽きて倒れて涙を流していた。 その涙は、死への涙か、水がない涙か、隠しごとされた涙の理由も分からないまま、皆力尽きていた……
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