レンタル人妻

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さとるは懲りずにやっぱりお店の前に。 今日はもうしくじらないぞ…。 周りをよく見て…よし、押すぞ!! やっとこさ好みの女性を押せたっ! どんな女性が現れるかな~っとワクワク。 キラキラキラ っとオーラをまとった 清楚な綺麗な人妻が現れた…。 「あ!」 「あ!!」 お互いに目を合わすなり驚く。 「家政夫さん!!」 「いや、もうあれ辞めたんです…」 「え~どうして?私これからずっとお願いしますと あの日話したらいいですよと言ってくれましたよね?」 「そうでしたが…あ、ちょっとここじゃ目立つんで どこか喫茶店で話しませんか?」 まちゆく人がジロジロと冷たい視線で見ている。 二人は足早に喫茶店へ入る。 適当に飲み物を注文して。 「私、母子家庭なんです。主人とは別れて あの子を一人で育てているの。 ずっと寂しい思いさせてて、家の事も 何も出来ずあんな状態になってしまいました」 「そうだったんですか…お綺麗なのに… 旦那さん酷いですね…」 「浮気されたの。その女性との間に子供が生まれて 私は捨てられました…。だから、あなたが家事をして くれて凄く片付いた部屋、子供が嬉しそうに あなたの事話してくれたりしていたので これからずっと家事をお願いしたいなって思ってた。 なのに、突然辞められたと連絡が入り、 茫然自失していました…」 「ごめんなさい…そうとは知らずに軽率でした… あの…もしご迷惑じゃなければ…私の事、 家政夫としてずっと雇って貰えませんか? 貴方だけの専属家政夫として…」 「え?…本当に?嬉しい…お願いします!」 「僕も貴方の事が忘れられなくて…会いたかったんです。 まさかあんな場所で再会するなんて…運命ですね…」 「そうね…運命だわ」 「もう家の事は心配しないで。だけど、ずっと お母さんが居ないのはお子さんにはお辛いでしょうから もう少し別のお仕事されてはどうでしょう。 僕は在宅でも仕事やっていますし、経済的には 心配ありませんから。」 「有難う…。こんな仕事本当はしたくないのよ…。 割が良いからつい、子供の将来のためと無理をしていた。 時には嫌な思いもしましたし…やっとこれで 開放される。本当に貴方は私にとって天使ですわ」 「いえいえそんな勿体ないお言葉です…。 僕にとっても貴方は天使なんで…いや、ヴィーナス?w」 「うふふ」 思いがけない再会で二人は一緒に暮らすようになった。 子供もすっかりさとるになついた。子煩悩で優しく 勉強もしっかり見てくれるので学校も楽しく通えるようになり 友達も沢山出来て充実した毎日を送れるようになった。 「ねえ、さとる兄ちゃん、ママの事好きでしょ? 結婚してパパになったらいいじゃん」 「パパになっていいの?」 「うん!僕さとる兄ちゃん大好きだもん!お願いします。 これからもずっとママを守ってあげて!」 「分かった!ママの事も君の事もずっとずっと大事にするよ!」 こうして三人は幸せな家族になりました。 終わり
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