時を超えて

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ののかは壁に貼ったポスターをぼーっと眺めている。 今この子は20才になってるのか。 初恋の相手だった。 実はののかは子役モデルだった。 今は保育士として働いている。 初恋の相手なのに恥ずかしくて名前も聞けず モデルの仕事でツーショットを撮った時 手を繋いでにっこり笑って写真を撮って はいさよならという感じだった。 あーああの時名前だけでも聞いておけば良かった…。 これまでその子の事以外好きになれず 告白された事もあったが未だに彼氏なし。 いつかあの子と再会して結婚するのが夢だから。 友達の結婚式に参加した事で、彼への思いが強くなった。 どうしても会いたい…。 そうだ、子役の事務所へ聞きに行けば分かるかも! そう思うとメジャーな子役の事務所へ赴いた。 「あの…このポスターの男の子を探してるんですが」 と聞くと社員さんはじっくり話を聞いてくれた。 「これは何年前の写真でしょう」 「えっと17年前ですね」 「17年…うーん 当時おいくつでした?」 「3才でした」他にもいくつか質問され 「じゃあ20才って事でこの四人のどの子かかしら?」 っと四人のシュッとした男性の写真を見せてくれた。 一人面影がありそうな男の子を見つけた。 「この人かも…」 「じゃあこのモデルさんの経歴をお調べしますね」 …しばらくすると社員さんが戻ってきた。 「おまたせしました…残念ながら、この方は その雑誌の表紙のモデルはされてませんね~…。」 「そ、そうですか…」 「お力になれずすみません…」 また別のモデル会社へ行くと 個人情報なので教えられませんと最初は 突き返された。しかしその後年配の女性が 現れ「私は分かりませんが、知り合いなら 顔が広いので何か知っているかもしれないわ」 と連絡をとってくれる事に…。 会いたい…この地球上のどこかに彼は今も生きているハズよね。 今どこで何をしているのだろう…。 20分程した後に女性は戻ってきた。 「わかりました!お相手の方はもうモデルはやめられてますね。」 「そうなんですか…」 「連絡先分かったので、今連絡してみますよろしいですか?」 「はい…(ドキドキ)」 ぷるるる・・・・ 「はい」爽やかな声。 女性は事情を話してくれて電話を変わってくれた。 「もしもし…」 「もしもし…」 「あの…今どこにおられるんですか?」 「…えっと僕はNYに居ます」 「NY…そうなんですね。今何されてるんですか?」 「大学生…です」 「そうなんですね凄い…頭いいんですね(きゃーカッコいい)」 「いえいえそんな事ないですよ…💦」 「あの…もし宜しければ友達になって欲しいんですが」 「友達ですか…別に…良いですけど…ところであなたはどなたです?」 「あ…(興奮しすぎて自己紹介をしていなかった)」 ののかはやっと自分の事を伝えた。 「あーーーあの時の!覚えてますよ!こないだまで 俺の部屋にその写真飾ってました。懐かしい…」 (え…写真ずっと持っていてくれたんだ…それって…)
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