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ごめんな急に呼び出して。
ううん。嬉しいよ会えて!
うちくる?
うん。
なんとなく手を繋いで歩きだす二人。
はたから見たら仲のいいカップル。
駅からすぐの高層マンションに住んでいる彼。
ここで一緒に暮らせたらいいのになーなんて
優子はちょっぴり思う。
パパー今日さー幼稚園でね、みっくんに
チューされたんだよー
へえ大胆だなみっくん。パパもチューーしてあげよっか。
えーやだー
まてー・・・。
きゃあー。
なんだか楽しそうな親子が同じマンションへと入っていった。
私だって早く結婚していればあのくらいの子供がいたはず…。
そう思うとなんだか焦っちゃう。いいなあの子の奥さん…。
俺にもあれくらいの子供が生まれててもおかしくなかったんだな。
結婚するタイミングか…。
二人はそれぞれそんな事を思ったのだった。
部屋につくと、彼はロックもしていなかったのか
ガチャっとドアを開けた。
玄関には女性の靴があった…。
なんだかタバコのにおいがする・・・。
「相変わらず鍵もしないで出て行って用心悪いよー」
っと女性の声が。
「あけみ…不法侵入だぞ」
「いいじゃん別に。私はノリ君の彼女でしょ・・・
ん?そこの子誰?」
「こ、こんにちは・・・私、か、帰りますね・・・」
ショックで足ががくがく。
「折角来たんだしあがんなよあんたも」とその女は言う。
「おい、お前の家じゃねーだろ?」
「いいじゃん。おいでー」
「で、でも・・・私おじゃまでしょ」
「そんな事ないわよーあははは」
その女は酔っ払っているようだった。
「おまえまた酔ってるだろ。酒くさっタバコも
ひとんちで勝手に吸うなよ。俺タバコ大嫌いなんだけど」
「あ、そうだっけ。悪い悪い。消すねたばこ」
「ちょ、それお皿だって。もー高い皿に灰をこするなよー」
「いいじゃんボンボンだから何枚だって買えるでしょ」
「人のものだと思って」
二人の様子を見てポカーンとする優子。
「すわんなよそこのこ」
「あ、はい・・・。でも私やっぱ帰ろうかな」
「優子、一緒にケーキ食べよ♪冷蔵庫に入れてるんだ」
「おお ケーキあんの?私の分もある?」
「図々しいな」
「いいじゃん私彼女でしょ」
優子「・・・」
暫くするとベランダからまた一人女性が現れた。
「あのさー・・・あんた何人彼女いるわけ?
私驚かそうと思ってベランダで待ってたんだけど・・・
ほんと最低ね。さよならっ」
そう言うとサンタの恰好をした可愛い女性は
プンプン怒って出て行った。
「傑作~。まぢ受けるんだけど。ほんといつも
かくれんぼ大会じゃん。いつも鍵空いてるのは
そうやって彼女がいつでも入れるようにって事でしょ?」
優子「・・・」
「ノリ君って今年何歳になったっけ?45?」
「違うまだ44・・・」
「似たようなもんじゃん」
「ちーがーう」
「ってかいい加減結婚しようって思わないの?」
「はぅ・・・またですか」
「またですかじゃねーよ。私何年連れまわしてんの?
もういい加減ここにいつきたいんですけどー」
「勝手に居候されても困るんですけど」
「もうさじゃあ、結婚してあげる。婚姻届け持ってるから
今すぐサインして。クリスマス婚約っていいじゃん」
「はあ?おまえなあ。何かんがえてんの?」
優子「凄い・・・めっちゃ積極的っすね…」
(あーやっぱ私はこの人と縁ないわ・・・)
紀夫はふと優子をぎゅっと抱きしめた。
「俺はコイツと結婚するって決めた!」
優子「・・・・!?!」
「えーーなんなん?!」
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