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なんだかんだで突然紀夫にプロポーズされた優子。
あけみは怒って持っていた婚姻届けをびりびりに破いて
「おぼえとけよ」と言い放って出て行った。
一体どっちに対して?!
紀夫は優子をギュッと抱きしめた。
「ねえ、まだ他に彼女隠れてたりしてね?」
「ばか・・・いねーよ」
「私知らなかった・・・私とだけだと思ってたから・・・」
「ごめん・・・」
「どうせ勢いで言ったんでしょ?」
「違うよ・・・。いうタイミングがなかったから」
「そうかしら・・・」
強引に押し倒してキスをしようとする紀夫。
「いや、今日はそういう気分になれない・・・
私も帰る・・・」
「帰さないよ!」そういうとぐいっと腕を掴んだ。
「やだ、離してっ」またしても強引にキスをする紀夫。
こんな気持ちなのに無理やりキスするなんて最低・・・。
思わず思いっきり突き飛ばした。「大嫌いっ!」
「優子・・・」「ついてこないでね。本当に!」
「・・・ごめん。落ち着いたら連絡して・・・」
「・・・」
年末の忙しさで結局それ以来連絡もせず年が明けていた。
寒さの厳しい一月。外に出るのも億劫だ。
お餅を食べながら優子の母が「今年は結婚しなさいよー。
いつまでも私が生きてると思わないでね。早く孫の顔みたいから」
「もー毎年それ言うよね。お姉ちゃんが結婚したからいいじゃん」
「早いこと結婚しないと子供産めなくなるし」
「そういう問題?」「そうよー大事な事でしょ。子供は宝!」
優子の姉はこっそり縁結びの神社に行っていた。
「今年こそ結婚してくれますように」
そうとは知らない優子はのほほーんと過ごしていた。
そんなある日、公園でぼーっとしていたら
大きなリュックを背負った男性がふらふらと
しんどそうに歩いていた。なんだか熱がありそうだ。
優子はほっとけないなと思い駆け寄って
「大丈夫ですか?」っと。
その瞬間どさっとその男性は倒れた。
慌てて救急車を呼んだ。
げっそりとしたその男性は意識を戻した。
なんと驚いた事に「優子??」と
その男性は言うのだった。
「え??どなた?」
「俺だよ・・・紀夫だよ」
「・・・・」じーーーっと見ると確かに紀夫だった・・・。
「有難う・・・。ほんと俺死ぬかと思ったんだ。
あの女まぢヤバイ。俺必死に逃げ回ってるんだ。
あのマンションに居座ってるし、俺はもうあそこには
いられない。ストーカーみたいな奴だから。
結婚するまで逃がさないって感じ?」
「・・・なんでそんな人を家に入れちゃったの?」
「勝手についてきたんだよ・・・」
「そっか・・・」
「カギを開けとけって命令したのもアイツだよ。
言っておいて忘れてんの。」
「で、どうして複数の女性があがりこんだの?」
「あの女を追い出すためにだよ・・・」
「その手段は良いとは思えないわ」
「どうしたらいいんだか分からなくて。
がんじがらめだよ。俺のタイプじゃねーし。
正直ほんとに優子が良いんだよ俺は」
「・・・(ドキ)」
「こうしてまた出会えたのも運命なんだと思う。
優子は俺の命の恩人。もしかあの時助けてくれなかったら
俺ほんとまぢで死んでたかもしれないよ。」
「とりあえず安静にしてなきゃね・・・」
「優子、もう離れないでくれよ。怖いんだよ」
「分かった・・・(とはいいつつストーカーに
私は命を狙われないか巻き込まれやしないか不安だ)」
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