第一章 移住民

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「そうですか、コールドスリープ……いやはや、もちろん理論は目にしたことがありましたが、まさか実現なされていたとは。事情は分かりました。それでしたら、これ以上追及することもないでしょう。ES601の爆発については、ES星系群組織下の調査隊も動いています。早急に原因が判明することを願いましょう。それで、あなたはこれからどうなさるおつもりで?」  以外にも薄っぺらい反応だ。あまり信用されてないかもしれないと考えていたほうがいいだろう。ともあれ、行く当てがないのは事実だ。訳もなく宇宙をさまようわけにもいかない。生きていく方法くらいは確保しておきたい。 「私としては、この星に住まわせてもらえないかと。流れ着いたのも偶然ですが、定住できる場所があればうれしく思います」 「それでしたら、歓迎いたしますよ。外来研究員という形であれば、わが星は人手も足りていませんので、是非ともこちらでも研究員として働いていただけませんか」 「...ありがたいお言葉ですが、仕事は別のものを探そうと思っております。あまり研究などという気分にもなれませんので。風をしのげる場所さえあれば、と」 「分かりました。それでしたら、移住民として受け入れましょう。手続きや家については、降りてからお話いたしましょう。それで、あなたの宇宙船ですが、こちらで買い取り、ということではどうでしょう。定住なされるなら不要かと思いますし、生活費としても十二分な額をお渡しできると思いますよ」 「それは有難い。是非ともよろしくお願いします」 「それでは、降りると致しましょう。ようこそ。ES704へ」  立ち上がった二人は、軌道エレベータへと向かっていった――――。
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