毒ガス

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「やばい やばい やばい!!」 人生最大のピンチに見舞われた、逃げ惑うある者…… 部屋で一休みをしていると、玄関で鍵の閉まる音がした。それとともに、部屋中に異臭が。毒ガスだ! このままでは死ぬ。何とか脱出しなければ!意思とは裏腹に、充満するガスで朦朧とする。 「数ヶ月前、俺の兄弟が ガスにやられたんだ……」 ふと見ると隣の部屋から ひとり、仲間が現れた。 やはり、毒ガスにやられたようで ふらふらとこちらに近づいてきた。 「逃げ道はいくつかある。玄関の隙間か風呂場の割れ目、最終手段は床下収納……だ」 仲間と共に脱出口を目指すも、道半ば もとい、部屋半ば。 ここまでか……どちらも、仰向けに悶え苦しみ そのまま息絶えた。 一匹見たら、百匹いると思え。 これは、暗がりで狭く暖かい場所を好む 彼ら 黒光りする種に言われる文言。 「うわー、またゴキブリいたんだ!くん煙剤焚いて良かったー」 帰宅した住人は喜んだ。 彼らの仲間は、まだ そこかしこに潜んでいる やもしれぬのに……
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