39歳で青春するのはダメですか

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ファミレスを出た後は映画館に向かった。 最近のシネコンの進化具合は凄まじい。 チケットレスは当たり前、座席も種類があって カップルシートやラグジュアリーシートなんて のもある。 「普通の席でいい?」 「どこでも何でもオッケーです!観れれば!」 ラグジュアリーシートは一席5000円だ。 しかしそれに見合うだけの価値がある。 寝ながら観れるし、該当スクリーン内で1番見易い場所に座席があり、荷物置き場も完備。 独立型なので前後の席がなく、周囲が気にならない。 まぁしかし、初デートでいきなりラグジュアリーシートに座るのもどうか。ここは一つカップルシート・・違うな。普通席でいいだろう。 チケットを購入し、香織御所望のチュロスと飲み物を買ってからスクリーンへ向かった。 観る映画はほんとにアニメ実写版作品で良かったのだろうか。 香織が普段、好んで観ている映画やドラマなんかを リサーチしてからにするべきだったかな。 デートするなら女の子を楽しませるのが男だろ雄大。 「結構、人いますねぇ」 香織はヒソヒソ声で俺の耳元で囁いた。 「公開初日だからかもね」 こんな会話をこんな可愛い子としていいんですか。 ほんと久しぶりだこんな感覚。もう忘れたとかの レベルではなく、古典の教材になりかねん。 映画の内容は正直、あまり記憶にない。 チュロスを食べるのも忘れて真剣に観ていた 香織が気になって気になって仕方なかった。 この子は天使なのではないか。歳が倍近く離れた おっさんに、興味がある訳でもない映画に連れてこられても嫌な顔一つせず、ずっと真剣に観てくれる。 あぁ俺はもう戻れないかもしれない。 勘違いでもいい。騙されてでもいい。 香織となら何しててもきっと楽しい。 一緒にいたい。そう思う。 「楽しかったですねー!アニメも観てみたいです。 ラスト感動しちゃいました。」 「良かった。楽しんでもらえて」 「雄大さんちゃんと観てましたか!?私の事ばっかり見てたでしょー?」 うっ・・気付かれていたのか そんな見てたつもりは無かったんだが 「そんな事ないよ!ちゃーんと観てたよ」 香織が意地悪な笑みを浮かべながら顔を近づけ覗きこんでくる 「ほーんとですかー??」 くっ・・可愛いすぎ・・ 破壊力ありすぎます香織さん 「ほ、ほんと・・」 「へーへん!仕方ない!雄大さん私にくびったけですもんね!」 香織は得意げな表情で両手を腰にあてドヤした。 くびったけて超久しぶりに聞いたけど・・ 香織ほんとに20歳ですか。 「次はどうします!?どこか行きたいとこありますか??」 ご安心召されい香織姫。当然、次のプランも考えてございます。 「次はボーリング行こうか」 と言うと香織の瞳がキラッキラと光を放ち 満面の笑顔になった。 「ボーリングいい!行きたいです!ぜひ!」 映画館の下にボーリング場がある。 休日ともなると、カップルやファミリーでごった返すのだが、今日は平日だ。すんなり受付を済ませられた。 「うわーボーリングなんて久しぶり過ぎます!」 実はボーリングに来たのはもう一つ理由があった。 靴のサイズを知るのにうってつけなのだ。 女の子にプレゼントをする際、靴を選ぶのは かなりハードルが高い。 サイズがまずは難題であろう。大きすぎても小さくてもダメ。靴何センチ?なんて聞いた日にはサプライズ感が薄れかねない。 更に言うと靴はそれぞれ好みがあって、本当に信頼し合える関係になっていない内に、プレゼントとしてチョイスするには向かない代物た。 だが俺は敢えて最初のプレゼントは靴にしようと考えていた。なぜか。香織の部屋に行った時、ブーツのヒールが壊れているのを見つけた。 捨てずに置いてあるのは好んで履いていたからではないか。修理に出そうか迷っているのかもしれない。新しいブーツ買わなきゃなと思っているかもしれない。 そう!俺はブーツをプレゼントしたいんだ。 ちょうど冬が始まるし。タイミングとしては 絶好期ではないか。 「香織は何センチの靴にする?」 こんな事さらっと聞き出せるなんて ボーリング素晴らしいよ。 ありがとう最初に貸靴を考えた人! 「えーとですね。23.5がいいです!」 おもむろにさりげなく23.5cmの貸靴を取り出して香織に渡した。 「どう?きつかったりブカブカとかない?」 「はい!バッチリです!」 23.5cmか。小さいなぁ。女の子だなぁ。 あれちょっとキモくね俺・・ 「雄大さんの!はい!」 香織が渡してくれた貸靴は27.5cmだった 「な、なんでサイズ知ってるの?」 「ふふーん。雄大さんの基本情報はすでに入手済みですから!さっ行きましょー!」 ど、どこまで俺の事知ってるの・・ 香織さん・・
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