39歳で青春するのはダメですか

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ボーリング対決は香織の圧勝に終わった・・ 運動神経凄いのかもしかして。 「2ゲームで300超えるとか凄いね」 「私のこと見直しましたか!?」 俺の結果はというと。2ゲームで180。 こんなところでも格差社会は顕著である。 「つぎつぎー!どうします??」 まだまだ元気だ。正直、私は疲れました・・ おっさんが若い子と遊ぶ時の最大のリスクは体力である。情け無い・・ 「じゃあ香織が行きたいとこに行こうよ」 俺に併せてばかりじゃな。香織の好み知りたいし。 「んー・・」 香織は目を閉じ、腕組みをしながら考えている。 そういえば今日は用意する時間もそんなになかったのに、いつもと変わらない綺麗で可愛い香織さんだ。思わず見惚れてしまう。 「じゃあ帰りましょう!」 え? 「帰る?まじ?」 「はい!帰ってまったりココア飲みながらアニメ観ませんか??」 なんて出来る子やぁ。疲れた顔してたかな・・ 俺に気を使ってくれてるんだろう。 「じゃ途中でスーパー寄って食材買って帰ろ」 「それいいですね!何食べたいですか??和食?中華?イタリアン?」 あぁ・・こんな幸せでいいんですか。 本当にお嫁さんみたいだ。夢なんじゃないか。 もうすぐ醒めてしまうんじゃないか。 「さぁ!いきましょ!雄大さんっ!」 香織は優しい微笑みをたたえながら手を差し出した。俺はそれが嬉しくてそっと手を取り、そのまま軽く握った。 香織もそれに応えてぎゅっと握り返す。 いい歳したおっさんが、自分の半分の年齢の子と手を繋いで歩く。香織は嫌じゃないかな。 「手を繋いで歩くっていいですよね!しっしっし」 香織は少しだけ顔を赤くして、ちょっと意地悪な顔をしながら俺を見上げて言った。 並んで歩くとよくわかる。香織、小さいな。 とっても女の子だ。 昨日の事は焦らなくていいよな。 香織がいつか自分から話してくれる時が来たら、 その時はゆっくり誰にも邪魔されない場所で、 ちゃんと視線を通わせながら聞いてやろうと思う。 香織の人生を変えるほどの出来事。 それが何であれ、俺はちゃんと受け止める。 大丈夫だよ香織。俺は味方でいるよ。 きっと大丈夫。
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