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ボーリング対決は香織の圧勝に終わった・・
運動神経凄いのかもしかして。
「2ゲームで300超えるとか凄いね」
「私のこと見直しましたか!?」
俺の結果はというと。2ゲームで180。
こんなところでも格差社会は顕著である。
「つぎつぎー!どうします??」
まだまだ元気だ。正直、私は疲れました・・
おっさんが若い子と遊ぶ時の最大のリスクは体力である。情け無い・・
「じゃあ香織が行きたいとこに行こうよ」
俺に併せてばかりじゃな。香織の好み知りたいし。
「んー・・」
香織は目を閉じ、腕組みをしながら考えている。
そういえば今日は用意する時間もそんなになかったのに、いつもと変わらない綺麗で可愛い香織さんだ。思わず見惚れてしまう。
「じゃあ帰りましょう!」
え?
「帰る?まじ?」
「はい!帰ってまったりココア飲みながらアニメ観ませんか??」
なんて出来る子やぁ。疲れた顔してたかな・・
俺に気を使ってくれてるんだろう。
「じゃ途中でスーパー寄って食材買って帰ろ」
「それいいですね!何食べたいですか??和食?中華?イタリアン?」
あぁ・・こんな幸せでいいんですか。
本当にお嫁さんみたいだ。夢なんじゃないか。
もうすぐ醒めてしまうんじゃないか。
「さぁ!いきましょ!雄大さんっ!」
香織は優しい微笑みをたたえながら手を差し出した。俺はそれが嬉しくてそっと手を取り、そのまま軽く握った。
香織もそれに応えてぎゅっと握り返す。
いい歳したおっさんが、自分の半分の年齢の子と手を繋いで歩く。香織は嫌じゃないかな。
「手を繋いで歩くっていいですよね!しっしっし」
香織は少しだけ顔を赤くして、ちょっと意地悪な顔をしながら俺を見上げて言った。
並んで歩くとよくわかる。香織、小さいな。
とっても女の子だ。
昨日の事は焦らなくていいよな。
香織がいつか自分から話してくれる時が来たら、
その時はゆっくり誰にも邪魔されない場所で、
ちゃんと視線を通わせながら聞いてやろうと思う。
香織の人生を変えるほどの出来事。
それが何であれ、俺はちゃんと受け止める。
大丈夫だよ香織。俺は味方でいるよ。
きっと大丈夫。
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