39歳で青春するのはダメですか

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ぐっ・・空気が重い 浅川さん来訪により、香織から俺に向けて闇の死ね死ねオーラが放たれ続けること30分。マグカップを持つ手は震えている。 とうの浅川さんはニコニコしながらコーヒーを啜り、色々な話をしてくれている。 浅川玲奈と言うらしい。年齢は19歳。 川崎にある美容系専門学校に通っていて、実家は山梨県のようだ。 なるほど美容系を志しているのも理解できる。 モデルだと言われたら、そうなんですねと即答するだろう。 「前に住んでたアパートが家賃値上げするーってなって。5000円も上げるって言うんです!信じらんない」 「そ、それはきついね。」 「ですよね!ここはwifi無料だし、割と駅近で安かったので決めちゃいました!」 先程から玲奈ちゃんと話てるの俺だけなんですが・・か、香織さん? 「ところでお2人はお付き合いしてるんですか?」 空気読めない子ですね分かりました 「付き合ってるんじゃないよ」 香織が俯きながらボソッと言った 「お嫁さんですけど」 おーふ・・嬉しいような何か悲しいような 何も知らない人にそれ言ったら 「え!ご結婚されてるんですか??歳の差カップル素敵です!憧れちゃいます」 そうだよねー絶対そう思うよねー んでよからぬ設定作って、最低だこのおっさんとか 決め付けてるよねー絶対そうだよねー 「歳なんて関係ないよ!雄大さんは素敵だもん」 か、香織・・ 「いえいえ。他意はありません。ほんとにそう思ってますから」 玲奈ちゃんはマグカップを静かに置くと、ゆっくり口を開いた。 「私も歳上大好きです。おじさま大好きですから」 ・・なんだって 今のJD世代ではおっさんブームが来てんのか? 「そうですね・・40歳くらいの人がいいです」 きたぁぁぁどハマりじゃねぇかぁぁぁ いいのこれ!いいの?ありなの?? いかん。ここは冷静に。冷静に。 「そ、そうなんだ。変わってるね・・」 「同年代とか歳下はなんかこう・・お子様って感じで。すぐエロい事しようとするし。通話してる時までエロい事させようとするし」 えーとたぶんそれ 世のおっさんの8割くらいがそんなんかと思いますが? 「お2人はどのくらいエッチしてますか?」 「2日に3回くらいかなー?ね?」 えーーー香織さん! なんすかそれ!つか即答て! 一度たりともしてませんよね 何の為の虚勢なんですか つか39歳でそのペースが事実なら、 逆におっさん最低感煽るから! 「ふふ。お元気ですね高槻さん」 あーこれ玲奈ちゃんの中の俺は鬼畜変態ロリコンおやじ確定だよ。心なしか俺を見る目に蔑みの光を放ち始めたよ。 「い、いやぁ・・まぁ・・」 玲奈ちゃんがテーブルに両ひじを付いて溜息を漏らした。 「羨ましいなぁ」 う、羨ましい?どの辺が? 「私も高槻さんみたいなおじさまと一緒になれたらな」 熱を帯びた視線をこちらに向け玲奈ちゃんはニヤっと笑った。 「いや・・俺ほんとダメなおっさんだから・・ 」 それを聞いて玲奈ちゃんはすくっと立ち上がった。 「じゃあ今日はこれで失礼しますね!是非、また一緒にお茶してくださいね」 そう言うとスタスタと玄関に向かい出て行った。 な、何だったんだ まさに嵐の様だった・・ 「美人な隣人さんが増えて嬉しそうですね」 闇のオーラの放出先から、ボソッと呟く声が聞こえてくる。 「え!?いや!全然!変な子だったなぁ!」 「・・雄大さんみたいなおじさまが好きらしいですよ。一緒になりたいみたいですし。いっそお付き合いしたらいかがです?私なんかより美人で若いし。ご存知でしょうけど、私より胸大きいみたいでしたし。散々見てましたもんね。脚とかも。いやらしい目しながら。色々楽しいと思いますよ。あの子とお突き合いしたら。雄大さんが求めれば何回でもやらせてくれますよ。きっと。だって絶対痴女ですよあれ。」 え・・香織さん? 目の前にいるのは香織さんだよね?? いつも優しくて笑顔溢れる美人で優しい佐山香織さんですよね!? 「か、かおり・・落ちつ・・」 香織はゆっくり立ち上がり台所に向かった。 「ちょどうしたの!かお・・」 香織は置いてあったフルーツナイフを取り出し 舌で刃部をペロリと舐め、こちらを睨み呟いた。 「雄大さんすいません。私、あの女ぶっ殺しに行ってきます」 香織・・そんな・・ まさかまさかのヤンデレかよぉぉぉ これまで結構いい感じのキャラだったよ! ヒロイン丸出しって感じだったよ! 「落ち着いて!なんもないし!」 「あの女・・私の目の前で色目使って雄大さんを誘惑するとか・・」 羽交い締めにして何とか押さえつけてはいるが こんな力あったっけ??つかほんとに香織なの この人!? 「ぶち殺してやるー!!」
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