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昨日はあれからステーキ屋に寄って2人で爆食いした後、ゲーセンに行って、色々なゲームで対決し、全て負けた。フッ・・わざと負けてやったんだぜ。
おかげでスッキリした。あんなに笑ったのは久しぶりだ。楽しかった。まだまだ若いもんには負けんよ!
翌朝、香織はハローワークへ行くと出て行った。
本気で仕事を見つけようとしているようだ。しかしバイト探しなら、スマホの方がいいのでは・・
俺は朝からパソコンに向かい、小説の続きを書いている。香織のおかげで色々なアイデアが思いついたのもあり、筆はサクサク進んでいる。内容が伴っていないかもだが。
里帆の事を完全に忘れたかと言われたら、正直それはない。昨日の今日で忘れられるなら、5年も苦しむ事はないだろう。
だが、枷は外れた気がしている。あとは時間が忘れさせてくれる。もう大丈夫だ。香織、本当ありがとう。
その時、玄関のドアを2度叩く音が聞こえた。
嫌な予感がする。その直後、また2度、今度は少し強めに叩く音がした。
「もしもーし!開けてよー!」
やはり玲奈ちゃんだ・・
俺はゆっくり玄関のドアを開けた。
「ちょっとー!いるならすぐ開けてよー!寒いじゃん!」
ズカズカと部屋に入り、なぜかロフトに上がっていく
「え??ちょ何してんの玲奈ちゃん!」
「漫画読むの!」
しかし、この子はなぜ香織がいない時に限って来るのだろう。こんな時に香織が帰ってきたりしてみろ。また裏かおりんが目を覚ましてしまう。
「ココアのみたーい!甘過ぎないやつ!」
ロフトから大声でご注文である。この前飲ませたココア、甘過ぎとか言ってたしな。って帰れと言うべきだろここは!ココアだけに。
「煎れたよー。降りてきなよ」
「持ってきてよー意地悪!」
無言でマグカップを持ち、ロフトへ上がる。
どこまでお人好しなんだ俺は。
「ありがと!」
玲奈ちゃんは俺のマットレスに寝そべりながら、漫画を読んでいる。その姿を見て一気に男根が反応した。
白のニットセーターにショートパンツに黒いストッキング・・。秋冬コーデで一番好きな組み合わせじゃねぇか。なんて分かってる女なんだ。誘ってんのか。ぐへへ・・
と言う妄想をしてニヤニヤしていると、漫画越しに玲奈ちゃんがこちらをみて言った
「脚好きなの?ストッキングが好きなの?」
しまった見過ぎだ!バレてますやん!そら
黒スト大好きっすご飯三杯いけるっす撫でたいっす
「い、いや・・まぁ・・」
玲奈ちゃんが前に見せた意地悪な笑みをこちらに向ける。そして脚を少し開いて見せつけるように体制を変えた。
え、エロい!!待て待て待て待て
まただよ!またやばいよ!しかも今回は黒ストだよ!
「触ってもいいよ?」
きたぁぁぁ!!じゃない!ダメだダメだダメだダメだダメだダメだ
「いいじゃん。黒いストッキング好きなんでしょ?マッサージって事にすればよくない?」
それだ!じゃない!!
こんな時は伝家の宝刀を抜くしかあるまい。
本当は別な物を抜いて欲しいんだけどとか
言ってる場合か!
「だ、ダメ!後悔するって言ったでしょ」
「それ言えばいいと思ってない?」
見抜かれてるやつー!
「まぁいいや。冷めた。つまんなーい」
そう言うとむすっとした顔をして、ブランケットを脚にかけてしまった。最早、全く見えない。
ぐぐぐ・・頼り甲斐があるぜ・・俺の理性
「香織さんは?いないの?」
うつ伏せになって漫画を読みながら聞いてきた
「うん。たぶん昼前には帰ってくるかな」
「ふーん」
「玲奈ちゃん学校は?」
「今日は午後からぁ」
最初に部屋に来た時の感じと少し変わった気がする。これが玲奈ちゃんの素なんだろうか。にしても本当、いい臭いしますね貴女・・。
「ねぇ」
漫画を置いて、くるっと身体をよじり、こちらに視線を向けた。
「ぎゅーして」
ブランケットをめくり、両手を広げている。真っ先に脚に目が行ったが、それどころではない。
「え?」
「ぎゅーして」
ぎゅーって抱きしめろって事か。なぜ?
「ど、どしたの急に」
玲奈ちゃんが跳ね起きて抱きついてきた
「ぬお!れ、玲奈ちゃん!?」
「香織さんが帰ってくるまででいいから」
これでもかと言うくらい、力一杯抱きついてきている。これを引き剥がすのは大変だろう。
「なんかあったの?」
抱きしめ返したいのをグッと堪えて聞いた
「ううん。なんもない。ただぎゅーしたいの」
そう言うと膝に乗り首に手を回してきた。
なんかもう・・いいか。いいよな。こんな可愛い年下の子が温もりに飢えて、寂しいって言ってんだから。大人として大丈夫だよと行動で示す事も時に必要だろう。
俺は玲奈ちゃんを緩めに抱きしめた。そして右手で頭を撫でた。
しばらくそのままで、2人とも無言だった。時計の秒針が、時を刻む音が聞こえるくらい静かだ。
玲奈ちゃんの体温が高くなっていくのもわかる。
「落ち着いた?」
玲奈ちゃんの耳元で囁くように言った。鼻腔を髪の毛が覆い、艶のある芳しい臭いに今にも理性を奪われそうになる。
「まだ。だめ。離れない」
そう言うと玲奈ちゃんは俺の左耳を甘噛みした。
全身の力が抜ける。もういい。ずっとこのままでいたい。
「耳・・弱いんだね」
そう言って、ふーっと優しく息を吹きかけてから、ゆっくり舌先で耳を舐めた。興奮しないはずがない。卑猥な音が脳を刺激して、男根を勃てようとする。
「おしりに当たってる・・ねぇ私のも舐めてよ」
ゆっくり髪の毛を耳にかけ、玲奈ちゃんの左耳に息を吹きかける。ビクッと身体を震わせ、呼吸が早くなったのを確認し、ゆっくりねっとりと舐めた。すると全身をゾクゾクさせながら、小さく喘ぎだす。
「玲奈ちゃんも耳・・弱いじゃん」
そう言ってから今度は首筋に舌を這わす。ビクンビクンと2回身体を反応させ喘ぐ声が大きくなった。
そのままマットレスに寝かせようとした時、誰かが来る気配を察知した。ハッと理性を取り戻し、玲奈ちゃんを引き剥がす。
ガチャガチャと鍵を開ける音がするのより早く、玲奈ちゃんを梯子に降ろし、自分もすぐに梯子に飛び乗る。
俺が一階に着くと同時に、玄関のドアが開き
「ただいまー!って・・あれ?誰かきて・・」
香織は瞬時に玲奈ちゃんの存在に気付き、すぐに裏かおりんへと変貌を遂げた。
「お邪魔してまーす」
ついさっき抱き合いながら耳を舐めあって、あと10分あったら取り返しのつかない所まで行ってしまったであろうなどとは、微塵も感じさせない落ち着きっぷりである。
あ、あぶねーーー!何やってんだ俺!
理性完全にゼロだったよ!むしろマイナスだったよ!
「なんであんたが来てるの?」
香織の目は完全に据わっている。この豹変っぷりは完全に二重人格ではないのか・・
「学校行くまで暇だったし。漫画読みたかったしー!」
次に俺をジト目で睨みつける
「つかなんで私がいない時に、部屋に入れるわけ?」
「いやっ!誰か来たなーと思って、ドア開けた瞬間ガーッと入ってきて・・」
「いいじゃん!こやってお話してただけだし」
「良くない!あんた雄大に色目使うし!」
「不安なんだ?取られるーって」
香織から地獄の火炎が噴き上がるのを感じる・・
「不安なわけないでしょ・・ムカつくだけよ」
「大丈夫だよー!雄大、私なんかじゃダメだーって。香織さんじゃなきゃ高まらないって言ってたし」
そ、それはいつ頃言いましたっけ・・?
「ほんと?」
いつもの香織だ。瞳をうるうるさせ、脚が内股になっている。か、可愛い・・
「ほ、本当だよ!もちろん!香織じゃな・・いと・・」
きっとヒトラーは世界地図を眺めて、こんな悪い顔していたんだろう。玲奈ちゃんが悪魔的微笑みを俺に向けているではないか。
ま、まずい・・これはまずい
抱き合いながら耳から首筋を舐めて、ドッキング体制に入ろうとしたとか、香織が知ったら俺は・・
「なんか震えてるけど・・どしたんですか??」
「い、いや!大丈夫!なんでもない!大丈夫!」
「さーて。学校いく準備しよーっと!またね雄大!」
そう言うと玲奈ちゃんは足早に部屋を出て行った。良かった・・助かった・・
「もう来なくていいーー!!」
香織が大声で怒鳴った。
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