花紺青《はなこんじょう・プルシアンブルー》

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見上げれば花紺青(プルシアンブルー)に染まりはじめた空が、まるで自分の心を映したように、端からひたひたと闇色にたそがれてゆく。 里華、きみは今どこにいる。そして幸せに生きていてくれるだろうか? せめてそれを祈るしかない僕を、きっときみは許してくれるだろう。 許されたい。きみにだけは優しく許されたい。永遠に許され続けていたい。 蒼く暗い空に、白い月が浮かんでいた。 夏のはじめの生ぬるい風が吹いて、ごおっと大きく篝火が揺れた。 〈END〉
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