17人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
見上げれば花紺青に染まりはじめた空が、まるで自分の心を映したように、端からひたひたと闇色にたそがれてゆく。
里華、きみは今どこにいる。そして幸せに生きていてくれるだろうか?
せめてそれを祈るしかない僕を、きっときみは許してくれるだろう。
許されたい。きみにだけは優しく許されたい。永遠に許され続けていたい。
蒼く暗い空に、白い月が浮かんでいた。
夏のはじめの生ぬるい風が吹いて、ごおっと大きく篝火が揺れた。
〈END〉
最初のコメントを投稿しよう!