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お互いに「後悔してない」を言い合って、罪悪感を小さく砕いて分け合って飲みこんで、僕たちは互いの心を削るように恋をしていた。
ふたりがいくつかの季節を過ごして、里華がいつの間にかあまりあまり笑わなくなったことに気づいていて、それでも僕は彼女の手を離せなかった。
幸せにできないとわかっていた。僕は誰も幸せにできない。そして誰に対しても誠実ではなかった。
あの頃の僕はたくさんの嘘の中で生きていた。そしてたくさんの不誠実をまとっていた。
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