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高所恐怖症のケイはジルラーティスに乗っているのに限界が来てしまい、ついに気を失ってしまった。
「***!!」
落ちそうになるケイを黒豹が慌てて支えるが、このままでは移動は困難と判断し、一旦地上へと降りた。
「おい、おきろ……」
黒豹は気を失っているケイの頬をぺちぺちと叩き、起こそうとするが反応がない。
寧ろ呼吸が荒く苦しそうだ。
これはマズいと彼を何処か休めるところに移動させることにした………
ああ、何故こんなことになってしまったのだろう……?
訳の分からない事態に巻き込まれ、こんな体になってしまった。
脳裏に浮かぶのは両親の姿だ。
自分とは全く似ていない両親。
ケイは養子だった。
見た目から推定3歳の頃、夜に一人泣いているところを保護され交番に連れてこられた。
ケイの見た目は髪の色は黒髪だが顔立ちが白人のようだったのと、もう一つ、日本語ではない言葉を口にしていた事から外国人と判断された。
しかし各国の大使館に問い合わせてみたが、有力な情報は見つからず、親も現れない為一旦は施設に連れてこられたが、その後子供のいない夫婦に養子として引き取られた。
両親となった二人はケイを本当の子供のように育ててくれた。
無知なケイに一から教えてくれて、周りに外国人や、捨て子といじめられた時にもずっと味方で居てくれた。
なのに親孝行すら出来ずこんな所に来てしまった。
「親不孝でごめん……
母さん、親父………」
目頭が熱くなったその瞬間視界が明るくなった。
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