愛がなくても朝食は食べる

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■  わたしは結婚後も仕事を続けることを選ぶ。結婚生活に変化、端的にいえば子供を授かれば働き方を見直す心づもりでいたけれど、そんな機会は少なくとも暫く訪れない、か。  ちょうど店長が来月の勤務シフトを組んでいたので話し掛ける。 「わたし、水曜日お休み要らなくなりました」 「あれ? 通院してるって言ってなかった? もういいの?」 「はい、もういいんです」  少ないスタッフで店を切り盛りせざる得ない眉間に深いシワが刻まれ、わたしの提案にパソコンから視線を上げたら、ますます厳しい表情となる。 「もしかして、なんかあったとか?」 「そんなひどい顔してます?」 「一睡も出来ませんでしたって顔してる」
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