愛がなくても朝食は食べる

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「おはようございます」  挨拶されるまで立ち尽くしていた。バイトスタッフの一人、ユウト君が脇を通っていく際、リュックが肩をかすめ、たいした衝撃じゃなかった割にじんじんした痛みを与えられる。 「どうしたんですか?」  制服を取り出しつつ、それでも突っ立っているわたしに言う。ぶっきらぼうな声音から察するに寝不足を指摘してなさそう。  ユウト君は人の機微に疎いタイプ。別にリュックをぶつけられたことを謝って欲しい訳ではないものの、マイペース過ぎやしないか。 「ごめん、ごめん。着替えるんだよね? 先に売り場行ってる。事務所の施錠よろしく」  一応更衣室もあるんだけどね、付け加えたくて踵を返す。と、上半身裸のユウト君と目があった。    
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