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社会人として働きだして少ししてから、わたしは自分の中の違和感に、ふと気づいた。 車での通勤時、仕事の外回り時、制服姿の男の子に 目が行くのだ。 自分でも気づかぬうちに、スーツ姿の大人の男より、学ランや体操服姿の学生に、好意を抱くようになっていたのだった。 とは言え、知らない男の子に突然声をかけれる程、わたしは自分の容姿にも中身にも自信はないし、そんな度胸も持ち合わせていない。 それに、学生に目が行くだけで、この子が好き!という気持ちも、誰にも持っていない。 なんともハッキリしない、悶々とした気持ちで携帯電話をいじくっていたわたしは、友達に以前勧められた、メル友募集掲示板の存在を思い出した。 簡単な自己紹介と、メールアドレスを投稿するだけで、メール友達が作れる、と謳っているサイトだった。 ここに投稿すれば、誰かしらがメールをくれるのでは? そしてその相手と気が合えば、仲良くなれるのでは? そんな淡い期待と、軽い好奇心で、わたしは掲示板に初投稿をしたのだった。 投稿して間もなく、わたしの携帯電話はたくさんのメールを受信しだした。 投稿を消さないと止まらないのでは?と、焦るほどにメールの嵐だった。 受信が落ち着いてから、届いたメールを順に開いていった。 大体の相手が、自分の住んでいる地域、名前、年齢、友達or彼女募集という流れの内容であった。 時々写メを添付している人もいたが、当時の画質はあまりよろしくなかったのもあり、これといって惹かれる写真はなかった。 そんな中、学年が一つ下の、同じ地域に住んでいる子からのメールに気付き、近場なら仲良くなったら会えるかも!と、勝手に盛り上がったわたしは、即返信した。 間もなく、また相手から返信があり、そこから彼とのやりとりが始まった。 話しているうちに、同じ中学の出身で、住んでいる町名も同じ事が発覚。 お互いの学校と仕事が終わったあとに、顔を合わせることまで、トントン拍子で話が進んだ。 ずっと気にはなっていたけど、年下の男の子と待ち合わせて会うのは初めてのことで、わたしは幼い子供が遠足を楽しみに眠れないのと同じように、胸がドキドキと音をたてて、なかなか寝付けずにいたのであった。
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