春:運命の出会い

2/3
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
拝啓  わたくしはF78星雲のくりまんじゃろ星からやってまいりました、くりまんじゃろと申します。  実は恥ずかしながら、わたくしの宇宙船が突然胡椒してしまい、地球に不時着せざるを得なくなってしまいました。  宇宙船が壊れては、仲間との連絡もままなりません。  つきましては、こうして出会ったのも何かの縁、貴男様にしばしの宿をお借りしたいのですが、よろしいで御座いましょうか。 かしこ。  かしこ。って、メスかよ。 「っていうか、コショウ間違ってるぞ」  一通りツッこんだ後で、オレは首を横に振った。 「嫌だね。お前みたいな得体の知れない奴とは、関わり合いたくないよ」  ガビーンとショックを受ける、奴――くりまんじゃろを、ぽいっと道に放り出す。 「オレは平凡な高校生でいたいんだ!」  そのまま奴に背を向けて、歩き出す。 「うゆ! うゆうゆ!? うゆー……」  奴の声がだんだん泣き声に変わっていったが、オレは振り返らなかった。  しかし。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!