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しかしエヴァンスが放った真空波は全てロウガをすり抜け、背後の岩壁を削り崖のように切り落とす。
「くっ!」
最大威力の真空波でも…っ!
「無駄だよエヴァ兄。こうなったからにはどちらかが死ぬまで、決着は無い」
ロウガの光の翼から、複数の羽根が弾丸のように放たれる。スピードこそ並だが…触れるのは危険過ぎる。エヴァンスは風の力で飛び上がり回避する。
「……!!」
羽根の射撃を受けた岩や土が、光となって消えていく。
心臓や頭、内臓器と言った部分に喰らえば、一撃で戦闘不能になるってことか…!
そう判断したエヴァンスが考える事。
それは…「逃亡」であった。
『ラストウイング』は最強の『剣』。
だがその代償として、使用者の剣気を全て放出して死ぬまでは止まらないのだ。
ならば逃げの一手で時間を稼げばいい。
そうすれば勝手に奴はくたばる。
『操風(ドレスウインド)』は風の力で空を飛ぶ事も出来るのだ。
じゃあな、大バカ…。
エヴァンスは焦りながらも、ほくそ笑んだ。
…しかし、その思考は既に読まれていた。
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