SIDE-G

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「……!!」 西の地で、強烈な気の波動を感じた。 傷も回復し、あれからアリスはひたすらにロウガとエヴァンスを探していた。 しかし、二人は余程上手く気を隠しているのか、集中して“剣域“で探さねば見つけられなかった。 この広大な大陸を。 ギルドの戦士として任務を与えられているアリスにはそんな時間など無い。 …本当は任務など放棄し、二人を探したかった。 だがロウガの『ギルドとみんなを守ってくれ』という言葉の重みがアリスの自暴自棄を防ぎ、戦士としてギルドに押し留めていた。 ずるいよ…ロウガくんも、エヴァ兄も…。 アリスは悲嘆に暮れながらも、ベッドに入る。 しかし、この波動を感じた。 このギルドのある東の地とは真反対の西の地で…何かが起きた。 それは感知タイプの戦士であるアリスだからこそ気付ける位置と距離であったのだが、確かにこの波動の強さには覚えがある…。 『ラストウイング』! かつてジナが発動したあの『剣』を、誰かが使っている。 誰か…? 決まっている、ロウガしかいない! ギルド構成員の中でも、特に“通気“に優れるロウガにしかあの『剣』は使い熟せるはずがないのだ。 アリスはいてもたってもいられず、ギルドを飛び出した。
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