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僕の友達を紹介する。 名前はエロガッパ。 その名の通り、スケベなカッパだ。 泳ぎが得意。カッパだからだ。 暑さは苦手。カッパだからだ。 変な所で漢気を出そうとするが不発に終わる。 エロメガネ時代があったがいつしかカッパになった。エロの知識が豊富な割に全くモテない。 それが、エロガッパだ。 「(つかさ)! おーい! 司!」 下校時の帰り道。どこからとも無く現れる。現れるポイントは学校から500メートル離れた住宅街の川沿い付近。ドブ臭くなった古い橋に差し掛かるとあいつの声が聞こえる。 「今日、中間テストだったろ? どうだった?」 「まぁ、いつも通りって感じかな」 「いつも通りって事はお前、数学のテスト捨てたなぁ?」 「もうわかんねぇよ。無理だわ数学」 「バカだなぁ。言ってくれりゃあ、俺が教えてやるのに」 「お前といるといつもエロい話にしかならないだろ! エロガッパが!」 と、振り向くもあいつはいない。エロガッパは隠れるのが上手い。 古びたアパートのゴミ出しエリアの隙間に隠れていた。 「隠れる意味ある?」 「神隠しごっこ」 ぬっ、と隙間から出ると、あいつはまた僕と並行して歩き出した。
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