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後日、学年中で僕らは噂になっていた。 泉たちを酔っ払いから助けた、と噂が広まっていた。 適当に皆の追求を交し、下校時間になると一目散に走って逃げた。 「どうやって酔っ払いをやっつけたの?」 やっつけてなんかいない。むしろ逃げたのだから。何より、あいつが相も変わらずな行動をしたとはとてもじゃないが言えなかった。 いつものポイントであいつが現れた。何故かメガネの縁が歪んでおり、片方の頬が赤くなっていた。 「何か、俺がおっさんと見せ合おうとした事が学校で噂になってるみたいだ」 「お前、何があったか誰にも言ってないよな!?」 「まぁ、言ってない」 「まぁ、て何だ? まぁって?」僕が問いただすとあいつは白状した。 「泉にお礼を言われて、何があったのか話したんだよ。そしたら「やっぱり変態!」て言われてビンタされた」 そりゃそうなる。僕は呆れを通り越して笑ってしまった。 「エロガッパだなぁ」 「告ったら上手くいきそうな雰囲気だったんだけどなぁ。勿体無い事した気がする」 あいつはそう言ってメガネを外し、歪んだ縁を直そうと曲げていた。 「そう言えば」とあいつは思い出したかのように話し出した。 「定が甲羅島でバーベキューしようって言ってたぜ? お前も来いよ」 「誘われないからな」 と、話を流そうとしたらあいつは耳元で囁いた。 「定がさ、兄ちゃんのエロ本持ってくるんだってよ」 あいつの腹積りが見えた。 「それが目当てで行くんだろ? エロガッパが!」 「エロは地球を救う。思い出作りに行こうぜ、な?」 とあいつは僕の肩に手を回す。僕より背が低いから回した腕は肩を組むというより人の肩に掴まるぶら下がり人形だ。 「どうせ泳ぎながらビキニの観光客を眺めるんだろ?」 回された腕をあしらって訊ねると真顔であいつは答えた。 「当たり前だろ。その為のこうら島だろ」 「エロガッパが!」
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