第三章

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こうして見ると馬も中々可愛く見えてきた…かも… 碧は勇気を振り絞ってそっと馬に触れようと手を出してみたところ 馬は頭を下から振り上げてその弾みで碧は転んで尻餅をついてしまった。 「うわっ!! な、な、な、何……!!」 「こらっアサ!! ごめんなさい碧さん大丈夫ですか?」 希一は慌てて転んでしまった碧に手を差し伸べる。 その後アサギリにダメだよと諭すがアサギリはそっぽを向いた。 「すみません…… でも碧さん、怖がってたでしょう? ダメですよ。 馬はそう言う所ちゃんとみてるので自分より下と見なすと馬鹿にされてしまいますので」 「何!?僕が馬鹿にされただと……… この僕が………」 この駄馬、馬刺にでもしてやろうかと思ったがそれを口に出さず飲み込んだ自分を誉めてやりたい。 すると希一がぷっと笑った。 「ごめんなさい、気分悪くされましたよね。 でも何と言うか、αの人って何でもこなしてしまうイメージだったので碧さんは何だか親しみやすいと言うか……」 αは完璧な人ばかりなのだと思ってた。 実際αの父は何でもそつなくこなし非の打ち所が無い人だから。 碧も他の人とはオーラが違う。 まさか馬を怖がるなんて思わなかったから碧が人間らしく見えた。
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