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改札を出たとき、空模様は突然の雨に見舞われていた。
≪しまった、傘を持ってない…≫
途方に暮れながらぽつりと独り言を言ったとき、私は偶然後方に居合わせたセーラー服姿の少女と眼が合った。それが蓮美だったのだ。
≪あの……あなたはどちらまで行かれるのですか?≫
彼女は小首をかしげながら、澄んだ眼で私を見つめた。
≪あ…いや、ついこの先の姫川コーポレーションに≫
≪そうだったんですね。私もなのです。よろしければ、ご一緒に傘に入られますか?≫
彼女はそう言うと、傘を広げ、私へと傾けた。
≪え?でも、傘からはみ出した君の肩が濡れてしまうじゃないか≫
≪大丈夫ですよ。それとも…女子高生と同じ傘に入るのは恥ずかしいですか?≫
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