その言動は、誰のため?

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 私の身体に布団を引き寄せてくれながら問いかけられた理人(りひと)からの言葉に、コクンと小さくうなずくと、彼がほっとしたみたいに私の肩口に顔を埋めてきた。  その微かな重みと、彼の柔らかな髪が首筋をくすぐる感じに、私はうっとりと目蓋(まぶた)を閉じる。  肌と肌が触れ合うだけで、こんなに幸せだと思ってしまうのは、私が理人のことを心の底から愛しい、と思っているからに他ならない。  理人と一緒にいると、自分でも信じられないくらい貪欲になってしまう自分がいることに気付かされて恥ずかしくなることがある。  そんな私が、大好きな理人に求められて、嫌なわけがないの。  例えそのせいで身体に負担がかかりすぎてしまったとしても――。  私は理人に応えたい、と思ってしまう。  理人は決して私を酷く扱ったりはしない。  それでも……私のコンディションがよくないと、今回みたいに擦れて痛くなってしまうんだって、私、初めて知った。  そういう時って……本当ははいけないんだと思う。  でも……。 「あのね、理人……私……」  私がつぶやくように話し始めたら、理人が「ん?」と顔を上げる気配がして。  私は顔を見られるのが恥ずかしくて、布団に顔を埋めながら話を続けたの。
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