5人が本棚に入れています
本棚に追加
開けてみると、
『名前は明かせませんが、貴殿に内密で頼みたいことがあります』
というようなことが書かれていた。
ますますナンダコレハ。
こんなことを頼んでくる知り合いなど、人付き合いの極端に悪かった俺には全く心当たりがないが。
しばらくメールだけでやり取りをしていると、どうも相手はある大御所の作家の秘書をしている女性らしい。
そしてお願いとは、投稿サイトで、俺の作品を見たので、才能がつきかけているその作家のゴーストを頼みたい、ということだった。
なんということ。
霊魂になってゴーストを依頼されるとは。
しかし、ここだけが、俺の未練を現世に晴らすチャンスかもしれない。
少々の報酬をふっかけたが乗ってきた。
振込先は、叔父がしていた、児童保護施設への寄付財団にしておいた。
最初のコメントを投稿しよう!