異世界ゴースト始めました。

1/6
前へ
/19ページ
次へ

異世界ゴースト始めました。

『小説代筆 承ります 秘密は厳守します』 そんなサイトを立ち上げた。 幾つかの依頼が来た。 新人賞に通らない、かつての俺のような文学青年から、それなりに名の通ったプロの作家まで。 幸い、魂だけの俺は、生前に読み漁った文学の記憶が薄れることはなく、またこの体では全く寝なくても、いくら文面を考え込んでも疲れないことも判明。 それで、俺はこの異世界の果ての穴倉にこもり、必要ない寝食をせずゴーストの仕事にかかりきりになった。 俺の作品で新人賞を受賞したもの、スランプ続きでノイローゼになりかけていたところを救われたものもいた。 これはいける。 俺はここから、文学を変えてやる。 そして純文学の黄金期を、今こそ取り戻し、新たに立ち上げてやる。 そう思った。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加