博士の虫眼鏡

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プライド博士は有名な発明家である。 日夜研究と試作に明け暮れ、突飛な発明をしては周りを驚かせる、良くも悪くも名高い発明家なのだ。そんな博士が今日も何かを作っているらしい。気になった助手は横から顔を覗かせ、博士の手元を見た。 そこにあったのは虫眼鏡、だが博士の事だ。ただの虫眼鏡では無いだろう。 「博士、それは何です?」 「あぁ、これはだな。嘘発見器だ」 嘘発見器? と私が首を傾げると、博士はおもむろに虫眼鏡を手に取り、助手の顔をレンズ越しに覗いた。 「私のケーキを食べたのは君かね?」 「え? いいえ、違います」 助手は首を横に振った。博士はその様子をジッと見つめ、やがてニヤリと微笑んだ。 「君は嘘をつく時、視線を外すね」 博士は助手の嘘を看破した。ケーキを食べたのは助手で、彼は潔く謝罪した。 「博士、その嘘発見器は凄いですね」 「これかね、これはただの虫眼鏡だよ」 本当に、ただの虫眼鏡だった。
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