プロローグ

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ベルが鳴って休み時間になった。 みんなでマリエの席に集まって 今日はどこに行こうかと相談していると、 ミカがバタバタと話に加わってきた。 「何?何の話?混ぜて混ぜてー♪♪」 ミカは元クラスメイト。 2年になるときのクラス替えで ミカだけが別のクラスになってしまった。 なので(?) 休み時間になると、 きまって教室に遊びに来る。 d9036690-f597-4256-949c-520a4f7d2d87 「アンタのクラスは隣でしょーが。  遊びに来るのはいーけど自分のクラスで  ちゃんと繋がり作れてんの??」 「大丈夫大丈夫、上手くやってるから♪」 「あーもう、くっつくなああ、暑いしっ。」 頬杖をついてだるそうにしていたマリエに ミカが後ろから抱きつこうとしている。 うざがられようがお構いなしのハグの嵐… ミカ流のスキンシップだったりする。 「今日は部活がお休みなんだー  それで帰りにお茶でもどうかなって。」 「いいねー♪ 最近ゆっくり話せてなかったし。」 マリエがミカをふりほどきながら カナの提案に賛同していると、 不意に出たミカの一言に みんな一瞬だけ固まった。 「ユイも来るんだよね??  部活も辞めちゃったしさー  時間あるっしょー♪」 マリエとカナがミカの両脇を抱えて 私からずるずると引き離すと、 ちょっとアンタ、少しは気ぃ使いなよとか ミカはストレート過ぎとか色々聞こえてきた。 「あ、えーと。大丈夫だから…」 ホントに吹っ切れてるんだけどなー まだ何か顔に書いてあって それが剥がれないまま 残ってたりするのかな…? 「お前らいつもコントみたいな事してるよなー」 いきなり話しかけてきたのは、 クラスの中で良くも悪くも 声が大きい男子ユート。 なんとなくだけどちょっとだけ 苦手なタイプだったりする。 毎度毎度遊びに来るミカは やっぱり目立ってて… 「お前、教室来るときは「はい、どーもー」  っつって入ってきたらいいんだよ。  お笑い芸人みたいに。笑」 「…一理ある。」 「…あ?」 「ミカ & ユート」 「は?一緒にすんなし」 「いいからほらほら、スタンバイっ♪」 ミカがぐいぐいユートの背中を押して 教室から出て行って、 しばらくの沈黙のあとガラガラっと ドアから勢いよく飛び出してきた。 ネタ合わせでもしたのかって思うくらい ふたりの息が合っている。 「はい、どーもー♪♪  ミカ & ユートですうう」 「腕の振りが甘いっ、やり直し!」 ミカがバシッとツッコミを入れると 周りから笑いが起こった。 「おい、動画取んな!投稿すんな〜!」 ユートは茶化す男子の中に紛れていって ミカはやり切ったって表情で戻ってきた。 マリエが感心してるのか呆れてるのか わからない感じで手をヒラヒラさせている。 「…アンタ、あしらい方わかってんねー」 「え、何?楽しんでナンボっしょー♪」 「はい、赤の他人赤の他人。」 「えー、ひーどーいー、マリエちゃーんっ。」 「だーかーらっ、くっつくなああ!」 短い休み時間はあっという間に過ぎて、 予鈴が鳴る。 「…あっ、行くわそれじゃっ。」 「あーもー、忙しないやつ。」 「またねー♪」 世渡り上手というのか、 芸人気質というのか… 結局、何も決まってないんですけどっ。笑
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