浴衣と花火と恋心

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たまたま参加したイベントが、 トラブルを解決する方法になってくれた。 コンテストが始まってやぐらに上がった ユートと私を見つけた3人は そのまま一部始終を見ていたらしい。 終わってすぐに半泣きになってるミカと、 安心して溶けそうになってるカナと、 いつもと表情は変わらないけど 少し髪が乱れたマリエに出迎えられた。 「見つかって…良かったよおおお…!  スマホとかぜんぜん繋がらないし、  何かあったんじゃないかって  心配したんだからああああ…!」 「何もなくて良かったぁ…  あちこちに運営の人がいたから  大丈夫とは思ってたけどっ…」 「スマホ、家に置いて来ちゃって…  ゴメンね。ミカ、カナ。」 「ミカもカナもすっごく心配したんだからね。  後ろにいたユイの事よく見ないで、  どんどん先行っちゃった私らも悪かったけど。」 「ホント心配かけてゴメンナサイ…///  はぐれるなんて思ってなくて。」 「今日の事はもういいけど…  ユートと何があったかは聞かせてよね。」   「そう、それっ!いきなりイベント出てるし!  それにさっきのユートのアレってば  告白??告白だったり!?!?」 「その時の動画撮ってあるよー♪  すごーく、らぶらぶな感じだったー♪」 「そういえば、ユートは?  一緒に帰ろうとかならなかったわけ?」 「お祭りの実行委員やってたから、  まだ片付けとかあるんだって。」 「じゃあ、あの派手な法被とか着てたんだ。  それはそれで見てみたかったかも。」 「なんかね、少年っぽい感じだった。」 「あー…」 「わかるわぁ。」 「うん、今すごく想像できた。」 家に帰るとスマホの着信履歴が、 ミカとカナとマリエでいっぱいになってた。 みんなホントにありがとー/// ミカからはメッセージが届いてて、 いつの間に撮ったのか みんなの浴衣姿が残されていた。 0334135e-21d4-48b3-9c2a-b22e4b08655f 87b11480-953c-4ab7-b7dc-c09ffb9472c3 a12a0d97-a1cc-477a-b4c2-3e296fcec7de 8ef7ad5b-5044-4968-bce9-a6f4596b2f4d なんか…色々あったお祭りだったなぁ。 ベッドで横になって写真を眺めながら 今日起きた出来事を思い浮かべていると、 またひとつメッセージが届いた。 [ 今日は助かった。色々ありがとう。] 絵文字もスタンプも付いてない たった一行だけのユートからのメッセージ。 それでもなんだかすごく嬉しくなって、Σ❤︎!! 思わず枕を抱えたままゴロゴロ転がりそうになった。 ユートの想いは私だけじゃなくて 会場に居た人達にも伝わったみたいで、 一等特別賞は取れなかったけど 周りの人がくれた拍手とかがすごく 印象に残ったイベントになった。 この日の事はずっと忘れない、 思い出のひとつになりそうな気がする。 部活の話がユートから出てくるなんて 思ってもみなかったけど… 自分と向き合ういい機会になったかもしれない。 新学期が始まったら… ちゃんとはっきりさせなきゃ。
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