31人が本棚に入れています
本棚に追加
たまたま参加したイベントが、
トラブルを解決する方法になってくれた。
コンテストが始まってやぐらに上がった
ユートと私を見つけた3人は
そのまま一部始終を見ていたらしい。
終わってすぐに半泣きになってるミカと、
安心して溶けそうになってるカナと、
いつもと表情は変わらないけど
少し髪が乱れたマリエに出迎えられた。
「見つかって…良かったよおおお…!
スマホとかぜんぜん繋がらないし、
何かあったんじゃないかって
心配したんだからああああ…!」
「何もなくて良かったぁ…
あちこちに運営の人がいたから
大丈夫とは思ってたけどっ…」
「スマホ、家に置いて来ちゃって…
ゴメンね。ミカ、カナ。」
「ミカもカナもすっごく心配したんだからね。
後ろにいたユイの事よく見ないで、
どんどん先行っちゃった私らも悪かったけど。」
「ホント心配かけてゴメンナサイ…///
はぐれるなんて思ってなくて。」
「今日の事はもういいけど…
ユートと何があったかは聞かせてよね。」
「そう、それっ!いきなりイベント出てるし!
それにさっきのユートのアレってば
告白??告白だったり!?!?」
「その時の動画撮ってあるよー♪
すごーく、らぶらぶな感じだったー♪」
「そういえば、ユートは?
一緒に帰ろうとかならなかったわけ?」
「お祭りの実行委員やってたから、
まだ片付けとかあるんだって。」
「じゃあ、あの派手な法被とか着てたんだ。
それはそれで見てみたかったかも。」
「なんかね、少年っぽい感じだった。」
「あー…」
「わかるわぁ。」
「うん、今すごく想像できた。」
家に帰るとスマホの着信履歴が、
ミカとカナとマリエでいっぱいになってた。
みんなホントにありがとー///
ミカからはメッセージが届いてて、
いつの間に撮ったのか
みんなの浴衣姿が残されていた。
なんか…色々あったお祭りだったなぁ。
ベッドで横になって写真を眺めながら
今日起きた出来事を思い浮かべていると、
またひとつメッセージが届いた。
[ 今日は助かった。色々ありがとう。]
絵文字もスタンプも付いてない
たった一行だけのユートからのメッセージ。
それでもなんだかすごく嬉しくなって、Σ❤︎!!
思わず枕を抱えたままゴロゴロ転がりそうになった。
ユートの想いは私だけじゃなくて
会場に居た人達にも伝わったみたいで、
一等特別賞は取れなかったけど
周りの人がくれた拍手とかがすごく
印象に残ったイベントになった。
この日の事はずっと忘れない、
思い出のひとつになりそうな気がする。
部活の話がユートから出てくるなんて
思ってもみなかったけど…
自分と向き合ういい機会になったかもしれない。
新学期が始まったら…
ちゃんとはっきりさせなきゃ。
最初のコメントを投稿しよう!