怒りの涙

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「夢をみてはいけないの?」 目を腫らしながら、泣き続ける私は怒りに身を任せていた。 突然だが、読者に問いたい。 例えば、「一方通行に否定し続けられる」「自分が欲しいと思っていた言葉が返ってこない」など、自分が思っていたことと真逆な事を言われたらどうする。 そして、「え、自分のことを何も知らないくせに何でそんなこと言うの」と思った事はないだろうか? それを考えた上で、どうか読みながら感じ取ってほしい。 長年夢見たものを諦めろと言われたら、潔く諦められるものなのか…と。 私は、歌が大好きで、毎日歌の練習をしているが、母が超が着くほどの歌嫌いだ。 なので、バイトで貯めたお金で歌のレッスンに通ったり、歌に時間を費やしてきた。 そんなある日、私は勇気を振り絞って、歌手になりたいと母に告げたが、きっぱりと止めろと言われた。 理由は、至ってシンプルで「売れるかも分からない職業はやるな」だ。 私は、一気に怒りが込み上がった。 もっと、言い方ってものがあるだろう。 私は、部屋にこもりクッションに怒りをぶつけていた。 しかし、それが段々と悲しみに変わり、泣き出してしまった。 最初は、怒っていたけれど、それから「本当は自分が言ったことがおかしいのでは?」「自分の考え方が変だったのか?」と、自分を責め立てるようになってしまい、更に自分に落ち度があったんだと思い込み、泣いてしまう。 別に「自分には才能がある」とは思っていないけど、でも歌っている時が、本当の自分をさらけ出せる時だから私は歌がやりたい。 そう、伝えるも話は聞いてもらえず、怒ることと泣くことを繰り返す日々が続いた。 それでも、私は諦めず、毎日発声練習、歌の練習をいつも以上にやり続けた。 「日々の努力の積み重ねは大事」とよく聞くから、それを糧に今は頑張り続けていた。 だが……。 それでも、時には泣かずにはいられない日があった。 歌が上手くならなくて泣いたり、周りからダメ出しを食らったりで、夜は特に泣いてしまう。 それでも、私には歌しかない。 いや、これじゃなきゃ駄目なんだと…! ここだけは、譲れない気持ちが徐々に芽生えていった。 私は私らしく、ありのままの私でいたいから。 だから、泣き続けながらも、前に進まなくちゃいけない。 泣いてるだけじゃ何も始まらないから…。 でも、泣くことは決して悪いことではない。 悔しくて泣いていると、次の日スカッとする程吹っ切れた気持ちになり、嫌な事を水に流した気分になるからだ。 その為にも、泣くことは大事なことであって、時には羽休み程度で泣くことも、私は良いと思っている。
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