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終話▽真実は目の前に
あの日から
一ヶ月後に雷鳥を潰した。
内部を知っている実稀君が
いてくれて助かった(笑)
闇は悔しそうに私達を
睨んでいたけど、どうでもよかった。
雨竜が雷鳥を潰した翌日に
闇の正体が学校中にバレた。
さて、此処である矛盾が生じる。
そう、闇が雷鳥の姫ということは
あたしがいじめる理由はないということだ。
そして、初めて、雪花の連中は
間違いに気付いた。
アホばかりだ。
総長があれじゃぁ仕方ないか。
琢海と泉以外の三人は
最初からあたしがいじめたと
話も聞きもしないで決め付けてたよなぁ。
まぁ、アホ共が誤解してくれた
おかげで雨竜の皆に出会えたから
そこだけは感謝してやらないでもないかな。
★━━━━━━━━━━━━━━★
あたし達は今、屋上にいる。
メンバーは雪花の幹部三人、
あたしと実稀君をを含めた雨竜の幹部六人、
そして、今回の主犯である闇だ。
四人は気まずそうに俯いている。
それもそうだろう。
闇本人はともかく、
三人はあたしの話を聞かずに
否応なしに追い出したんだから。
「茉緒里ちゃん、ごめんなさい!!」
最初に口を開いたのは幸歩だ。
『茉緒さんの名前を呼ばないでくださいませんか』
あたしが何か言おうとする前に
侑君が何の感情も籠ってない声で言った。
何時もの優しい声でもなく、
キレた時のタメ語でもなく
本当に何の感情も籠ってない声色だ。
ただ、雰囲気から此処にいたくないオーラが
犇々(ひしひし)と伝わってくる。
気持ちは分からなくもないけど(苦笑)
『次からは両方の話を聞いてから判断することね。
泣いてる方が“被害者”とは限らないんだから』
今回はあたしが雨竜に拾われて
生きてたからよかったものの
実稀君の彼女さんみたいに
自殺してしまう人だっているんだから
ちゃんと両方から話を聞いた方がいい。
これを言いたかっただけだから
それだけ言って、雨竜の皆と
屋上を出て、倉庫に向かった。
やっと終わった。
この先、雪花の連中が
話かけて来るかもしれないけど
馴れ合うつもりはない。
受け答えくらいならするけどね。
あたしの居場所は雨竜の所だ。
真実は目の前に。
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