『冷やしガバゴボラ、始めました』

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 かつては沢山の客で賑わっていたこの通りは、今は閑散(かんさん)としている。  昔はやれ夏祭りだ、正月だと、用もないのにイベントを繰り返していた人々。  彼等は皆一様に老い、政府の方針や不況に耐えられず、閉じたシャッターを二度と開くことは無かった。  そのようなうらぶれた商店街の一店舗を、祖父から譲り受けた男。それが私の友人の滝堂である。  滝堂は、年中寝癖だらけの天然パーマを整えもせず、ジャージにアロハシャツで腹を掻いている。  この古ぼけた商店街を発展させる気も、店舗を売って僅かながらの金を得る気も更々無く、もっぱら妙な物を適当に仕入れて適当に売っていた。
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