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しかしながら、そう言う店は、意外と全国どこにでもある。
営業しているのかしていないのか分からない薄暗い喫茶店。
健康食品と演歌のカセットテープを同時に販売している店。
死人に集った蝿かと思ったら、常温で店頭に並べられた葡萄を一パック百円で売っている八百屋。
そう言う、『潰すのも面倒だが、黒字にするのはもっと面倒臭い』みたいな店を、私はこの街で何店舗も見てきた。
が、まさか古くからの友人が、しかも、国立大学を首席で卒業し、防衛省に採用されるほど優秀だった友人が、今そんな商売だかなんだかわからん事をやって、半ば廃墟みたいな場所の店番をやっていることが、私にはまるで信じられなかった。
大体何だ冷やしガバゴボラって!
冷やし中華を始めるんじゃ無いんだぞ!
商店街はシャッター通りになっているので、冷房を使っている店など見当たらない。蒸し暑い通りを、私は首筋を伝う汗を拭いながら進むと、友人が居る店を覗き込んだ。
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