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「滝堂、居るかー?」
私は、店舗奥の畳部屋でだらしなく伸びた、脛毛だらけの足に声をかけた。
腰より上の胴体部分は、飾りガラスのついた引き戸があり、彼の輪郭を曖昧にしていて分かりにくい。
足はうねうねと動くと、寝そべっていた上半身部分を運びながら起き上がった。
「よう、友枝」
友人滝堂は、私の名字を呼ぶ。
「ようじゃないよ、全く、だらしない」
私は滝堂の寝そべっていた店舗奥の休憩室に、どっかりと腰を下ろした。
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