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「あいつ、絶対に説明内容読まないでサインしたよな」
背後から声をかけられて、職員の女は驚き振り向いた。
「見てたんですか」
「目についただけだよ。あ、ちなみに、休憩中だから」
気安く声をかけてきた男は、別の部署の先輩だ。
コーヒーカップを片手に、もののついでと、さっきの契約画面を覗いてくる。
「あ、やっぱり。親資格剥奪されてやんの」
「そりゃ、そうですよ。あんなのに当たったら、うちの子達が可哀相すぎます。この子だって、こんなに可愛いのに……あら」
粗野な親に捨てられたばかりの子どもが、静かに泣いていた。
「やだ、困ったわ。これじゃあ、資格剥奪は取り消さなきゃいけないじゃない」
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