陽だまり堂は千客万来

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「巴実様のお役に立ちたかったけど、アタチには難しい問題だったのニャー」 しょげた様子の小雪の頭を撫でてあげると、もっと撫でて欲しいのか顎を上げて催促してくる。 「はい、はい。いい子だね」 甘えて膝に乗って来た様子を見ていたら、最初に会った頃の眞白を思い出した。子猫サイズだったネコ型の眞白を抱っこして寝た時もあったんだっけ……。 やっぱり一緒にいることかな? 長い時間一緒にいるようにすれば信頼関係って深まるんだろうか? 一般的な話をすれば、男女間ならば信頼関係イコール愛情の深さになりそうな気もする。 この方面には詳しいほうではない、誰かに相談できたらと思うけどどうしたものか……葵に相談したら、気を使わせてしまいそうだ。 由香に相談できれば一番いいけど、由香にはあやかしや伊香尾姫の話はしたことがない。内緒、というつもりはないのだが、話すきっかけが見つからないのと、由香の反応が心配だったのだ。 ちゃんと伝わらなかったら、単に夢見がちな中二病まがいの残念な子認定されてしまいそうだ。せっかくできた友達をそんなことで失いたくなかった。
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