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眩しい朝日に照らされながら両手の自由を奪われた状態で私は優悟に濃厚に愛された。昨夜、全てを出しきったと思っていたのにまだ先があった。
縛られて・・・なんて自分には縁のないことだと思っていたのに、恥ずかしながらその刺激にすっかり溺れてしまった。姫のように扱われるのもキュンとするけれどこういうのも私的にありらしい。
なんだか二人で新しい扉を開けてしまった気がする。そしてその他の新しい扉も見えてしまった。多分近いうちにそれらも二人で開けることになるのだろう。
昨夜から敏感な部分はさらに敏感に、何も感じなかったはずの場所も彼に触れられるとたちまち反応するようになってしまった。そして反応すると声が我慢できずに漏れ出てしまう。
そんな声や濡れた音がどんどん私を追い詰めて、ますます恥ずかしい声や音を発することになった。
優悟は縛った手が痛くないか何度も確認してくれた。激しくされているのに大切にされていることを強く感じる触れ合いだった。
かなり長い時間絡み合っていたため、朝食の時間が迫っていた。急いでシャワーを浴び(さすがに今回は別々だ。)、昨日着せてもらってすぐに脱がされてしまった浴衣を身に付ける。
昨日の夕食はリビングの隣の和室に配膳されたけれど、朝食はダイニングに運ばれてきた。テーブルの上には可愛らしいフラワーアレンジメントが飾られている。朝食はこの宿で焼かれた焼きたてパンやふわふわのスフレオムレツ、体が温まるポトフ、エディブルフラワーが添えられた色鮮やかなサラダやフルーツ、シリアル入りのヨーグルトなどだった。
朝食を食べ終えソファでくつろいでいると優悟が『なんか、一緒に暮らしてるみたいだな。』と呟いた。
「今の家はさ、俺のとこも千咲のとこもダイニングとかソファとかないし、キッチンも風呂も狭くて・・・一人暮らしには充分でなんの不便もないけど、二人で暮らすならもっと広いところがいいよな。ソファやダイニングも絶対ほしいし。」
「確かにそうだけど、ここは広すぎない?カップルの同棲っていうより、ファミリーって感じ。」
あまりよく考えずにそう返したのだが、優悟は急に真剣な眼差しを向けてきた。
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