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どうして今、私は元彼に組み敷かれているのか。
「千咲と別れてから・・・ちょうど一週間？毎日千咲の夢を見るんだよ。」
優悟に見下ろされながらそう言われて、『別れたけれど体だけの関係にならないか？』などと提案する為の嘘だろうか、なんて一瞬思ってしまった。
でも優悟は裏表のない性格で嘘はつかないし、そんなあざといことはしない。もしそういう関係になりたいなら直球で言ってくるはずだ・・・なんて考えていた私に、その直後彼が話した内容は鳥肌が立つようなものだった。
落ち着け、私。もう一度聞いてみよう。きっと何かの間違いだ。
「私の夢見るのはわかった。その後言ったこと、もう一回言ってくれる？」
「・・・めんどくさいな。」
「お願い。」
「・・・だから、その夢の中で千咲、めっちゃモテてんの。王子系で優しい感じの年下男と、クールな感じのドSな年上男にさ。両方ともイケメンで、千咲の会社があるビルの別の会社に勤めてるらしくて。」
「・・・う、うん。」
「年下の方は千咲が好きな・・・Sweet・・・何だっけ？あのバンドが好きで、一緒にライブハウスのライブ行ってて、潰されそうになってる千咲を必死で守ってて、前に立ってるゴツい男のヒジテツくらって鼻血出してた。」
「へ、へえぇ・・・。」
「で、年上の方とはなんか高そうな和食の店行って魚食べてた。そいつに『酒飲まないのか？』って聞かれて、千咲、『飲めない。』って猫被ってて・・・。」
「ち、違う、あれは、お酒なんか飲んじゃったらどこに連れてかれて何されるかわかったもんじゃないから・・・。」
「え？何？」
「いや！何でもない！ふ、ふ～ん、なんだか随分具体的な夢だね・・・。」
驚いたことに彼が話したことは全部現実に起こったことだった。もし本当に夢で見たのなら予知夢の逆バージョンだ。しかも本人ではなく他人が見るなんてタチが悪過ぎる。一体どうなってるの！？
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